歴史系の作品以外のエッセイも非常におもしろく、特に「私の愛妻記」は印象深い作品でした。著者と奥さんの馴れ初めから結婚、結婚後の生活を描いているのですが、ほのぼのとしていて読んでいて思わず微笑んでしまうような内容になっており、昭和の三大作家に挙げられるほどの著者にもこんな可愛い一面があるんだなぁ、と意外な思いがしました。
どちらかというと本作品は司馬作品初心者よりも、すでに何冊か司馬作品を読んでファンになっている人向けだと思います。歴史への造詣を深めつつ、司馬遼太郎の意外な一面にも触れられる、おもしろい一冊だと思います。
・・・この本を買った後日、夫人や他の人の記述によって、司馬さんの「全身小説家」ぶりがよく分かりましたが、それでもこの「私の愛妻記」は大好きで、今でもたまに読み返しています。