律令国家・摂関政治の限界
★★★☆☆
マンガ日本の歴史 (12) (中公文庫)この巻では、律令制度に基づく国家統制が取れなくなり、武家や自社が自立の動きを始める様子を描いています。
藤原北家の摂関政治の確立に武門で大きな貢献をしたのが清和源氏である。
とりわけ、河内源氏の頼信などの功績は大きく、摂関家の藤原北家も源氏勢力の伸張を無視できなくなっていたようだ。
陸奥で安倍氏の反乱が起きると、源頼義がこれを討つ(前九年の役)ことで軍事貴族は力を伸ばした。
外戚として摂関政治を行ってきた藤原北家も後三条天皇の時には外戚にはなれず、摂関家の政治的な力を弱めることになった。
一方で地方では、存在の弱まった藤原家への服従を良しとせず、寺社は自立の動きをみせ、地方の軍事貴族や地方豪族は荘園を拡大した。
これは、朝廷への献納が減ることであり、王朝の律令制度は経済的にも凋落を始めるのである。
この流れの中で、後三条天皇は、政治的な影響力を失いつつある藤原北家を中央政治から徐々に駆逐しようとします。また、いわゆる院政の礎を築くことにもなります。