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天皇はなぜ生き残ったか (新潮新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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天皇制の謎に切り込む意欲作 ★★★★☆
天皇は、不思議な存在である。
南北朝時代を最後に、権力を失っていたにもかかわらず、現代に至るまで生き続けた。
どうして、天皇制は存続できたのか。
その謎に、正面から答えようとしたのが、本書である。

本書の内容には、賛否両論あるだろう。
だが、歴史学の先学に対し、果敢に異論をぶつけていく態度は、
「学問の自由」の実践そのものであり、評価したい。

個人的には、天皇制が存続できたのは、
日本に易姓革命思想がなかったことも大きいと思っている。

著者の今後の活躍に期待したい。
情念と論理 ★★☆☆☆
始めのところから違和感がありました。人間が紡ぐ歴史を論理だけで解決できるものか。出来なかったからこそ、論理に終始しない歴史学が生まれたのではないのか。
案の定というか、天皇の権威に関する記述は説得力がなく、物足りないです。
帯では「新」と銘打っていますが、むしろ方法論は古びたものだと思います。ただ今の時代にぽっと見ると、逆に新しく感じるかも。「天皇は日本史を通じての最高権威だった」というのはほとんど常識のようになっていて、しかも当時の人間の感情に関わるものである以上、論理的確証に乏しいのは事実なんでしょう。
そこを突っ込んで、真っ向から反対する本は少ない気がするので、好きな人には良いかと思います。

個人的には物足りなかったので☆二つです。
尊皇についての考察はオモシロイ ★★★★☆
常々、幕末の尊皇について違和感がありました。
御三家の水戸が水戸学までに発展していったのか謎でした。
それを儒学の研究過程において、
将軍職の任命について、武士気質の生真面目によって、実態よりも儒学の上下関係をそのまま当てはめてしまったことによる尊皇だった!
と思わず腑に落ち長年のもやもや感がとけました。

儒学の、上下関係を大切にするという学問と、 上下関係には形式上成り立つものもあり、
権威よる純粋な上下関係のみ成り立つものではないということを現実が指摘しているといった現実とのギャップを、
儒学の貴さを重んじ儒学の権威を保とうとして、将軍と天皇の関係をみてしまった。

この点を著者は、実生活を儒学的な教えを押し付けてしまい、実生活(現状)を補い知る学問としていない、儒学そのものがもつ問題点によって、尊皇思想がうまれたと考察しています。

儒学思想がその後の近代的天皇を下支えしている点でも、水戸学はパイオニアだったのだなと感じました。


天皇による将軍職の任命について、憲法学に通ずるなと感じ、
天皇による将軍職の任命を他の藩でも行われて論争していたら、
まさに天皇制論のパイオニアだっただろうと、歴史に「たられば」を持ち出し勝手に想像してしまうぐらい、水戸藩の動きに驚きました。


最後の章によって、重要事項盛りだくさんであり、どちらかというと、この数ページをじっくり考察してもらいたいと思うので、この辺りの更なる考察、幕末・明治期の天皇の有り様も、著者に紹介してもらたい。
そんな一冊です。
果たして権威まで剥ぎ取られたのか? ★★★★☆
戦国時代の皇室が極貧だったからと言って権威まで失ったとは言えないのではないか。権威の有無と富の有無はストレートには繋がらないと思います。
自分には今谷明氏の学説の方が説得力がありました。
天皇を考察する重要な1冊ではないかと ★★★★★
 面白かったのは紙数の関係で最後の方で簡単ではあったが、日本ではなじみの“戦国三傑”の一人、織田信長と天皇の関係について述べた箇所で、織田信長が政治的な見地から朝廷に財政的な援助をしてくれたおかげで、やっと昔日の体面を整え復活することができたことから天皇(=朝廷)は信長が望めば何でも(将軍だろうと大臣だろうと)適えようと必死になっていたぐらいだから、天皇が「覇者」織田信長以上の存在であるわけがなく、今谷明氏の説(織田信長は結局天皇を屈服させることができなかった)を「夢想」と斬っているのは痛快だった。
 政治体制で見た場合弱体化する一方の天皇が時代に翻弄され危機に陥りながらも(実際戦国時代は何時消滅してもおかしくなかった)現在まで存続できたのは―島国という限定された“小世界”という条件も大きかったと私は思いますが―やはり奇跡なのでないかと。
 天皇制を語る場合、明治の近代天皇制があまりにも強烈なものがあるため現在でも不毛なイデオロギー論争になり易く、その意味でこの本はできるだけ多くの人に読んでもらい議論し更に深い考察が世に出で欲しいです。