Samba no Esquema de Walter Wanderlay
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Walter Wanderleyは1960年代にSummer SambaがNHK FM 放送の当時左、右のステレオ分離度のテーマとして流れており、その斬新なサウンドに魅せられ、一気にbossa novaとオルガンファンになり私も彼の演奏を目標にキーボードに取り組んだがとても彼のような演奏は未だにできない。
彼のアルバムはオープンテープ、LPレコード、CDでほとんど収集したが彼の没後、新規は期待できず、探していたところこのアルバムが入手できた。
トリオによる演奏が彼の持ち味が100%発揮されていて好きである(BestはVerveのBatucada)が、このアレバムではブラスセクションと良くコラボレートしている。
Verve時代の前と思われるが、同じ曲でも違ったアレンジで新鮮である。古い録音であるが完全なステレオ録音で申し分ない音質である。
彼の性格を表すような甘いハモンドトーンと巧みなブロックコード、何と言っても抜群のリズム感に敬服。
1963年ブラジル吹き込み、オルガン・サウンドはほぼ完成
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渡米してVerveから「フォレスト・レイン」など傑作を連発する前、1963年にブラジルODEONレーベルに残されたもの。
ジャケットはなんとなく古臭いが、サウンドは、Verve時代と遜色がない。独特のオルガン・サウンドはほぼ完成の域に達していると思う。
パーカッションの質感と、彩どりを添えているギターがやや違うかな、という印象も受けるが。
Verve時代のアウト・テイク集だよ、と言われても、私なら判別つかない。
取り上げている曲も、Verve時代に再演することになる有名曲が多く、聞き比べも含めて、気軽に楽しめる。
1曲当たりの時間が短いので、総収録時間は30分に満たないが、非常に密度の濃い内容だと思う。
Verve時代のワンダレイを堪能しているファンはもとより、ボサノヴァ初級者にも安心してお勧めできるサウンドだ。