奇想だが、一貫した近代社会思想史!
★★★★★
現代に生きる我々にはどう考えても奇異な学説/思想/発明に
心奪われ、それを紹介、世間の話題となり、そして忘れられた
近代人たちの横顔を描いた一冊。
しかし当時、玉石混交の舶来モノの溢れる中で、
現代の常識からそれを嗤うのは卑怯だろう。
彼らが成し遂げられなかった業績にではなく、
彼らがなぜそれにのめり込んだのか、という
その動機を探っていくと、驚くほど一貫した
近代社会思想史が見えてくる。
この本と著者のアプローチは素敵だ。
硬く、正面から振りかぶった思想史には見られない
新たな視点が興味をそそる一冊だ。