工学部の化学工学科の人ならば乾燥工学という授業で、工学理論を習うのでしょうが、小生のような機械科にとっては、『乾燥装置=熱風を入れて乾かす装置』『早く乾燥させる=熱風温度を高くする・風量を増やす』というくらいの認識しかありませんでした。実務での試行錯誤を経験し、その認識に違和感を感じた為に、独学用の教科書を探していました。
私のような機械科卒業生とって、乾燥技術(乾燥装置の基本現象・基本機能)を、手早く理解するのに最適だと思います。なぜならば、化学工学科の工学理論体系から、乾燥工学の巻・物質移動論の巻・・・など、何冊も読破するという正攻法では、きっと挫折するからです。
参考文献・引用文献の出典は、化学工学便覧が多いです。その程度のレベルなので、初学者・専門外に最適です。
素晴らしい本ですが、難点が一つだけあります。
同じ物理量にも関わらず、章ごとに、表記(記号や添字)が違うことです。通読したあと「○○を計算する理論式は何だっけ」というレファレンス的な使い方をするには困ります。次の版では改訂してくれることを、切に願います。記号が統一されていたら、★5つを付けました。