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コケカキイキイ 改版 (中公文庫 コミック版 み 1-17 水木しげる妖怪傑作選 4)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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21世紀のニホンもたいして変化していない。 ★★★★★
60年代70年代の日本を舞台にしているのですが、格差社会は別に今始まったことでもないのだなと思います。

昔から貧乏人はいたし、今もいるし、これからもいるということをかみ締めて、それでもまぁ生きていくのだなと思いました。

水木先生の原点ともいえる作品集ではないかと思います。

ぞんびい ★★★★★
 この文庫を読むまで、私は「コケカキイキイ」とは、日本語文法の「カ行変格活用」<コ・キ・クル・クル・クレ・コイ>」の亜種だと、ずうっと思っていた。「コ・ケ・カ・キイ・キイ」と語尾が変化するあれ、である。しかし、本当のところは、水木しげるの発掘した<妖怪くん>だったのである。
 
 コケカキイキイは、国に捨てられた老婆、親に捨てられた赤子、飼主に捨てられた猫、そして、食料に見捨てられようとしているシラミ夫婦、この四生物の臨終が期せずして一致したときに誕生した稀有な生「神様」なのだ。
 コケカキイキイが、その役目を果たして消えるときの言葉に我々は心を打たれる・・・・
「私は庶民の不満を食べる新生物です。いま私は、庶民の不満を食べ腹いっぱいになったので元に返るのです。あとに満足が残っているはずです・・・・・」
 そして、あとに元の四生物の死体が残る。
 
 本書は、1970年代前半の日本の欲望社会を痛烈にこき下ろす<コケカ>様の生き様(?)を描く「コケカキイキイ外伝6編」のほか、1965年から71年までの名作をも含み読み応えがある。