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臨床心理学1 これからの臨床心理学 (臨床心理学をまなぶ)

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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「臨床の知」の限界という皮肉 ★★★★☆
日本独自の進化を皮肉る意味で「ガラパゴス化」という言葉がある。その点で言うと(臨床)心理学はまさにその典型で心理学が日本に普及し始めた当初から、世界の潮流(英米)とは真逆の道を歩んできた。

筆者は日本の臨床心理学の近代化の為に数多くのシリーズを翻訳、紹介し尽力し続けてこられた方だ。当シリーズを始めるにあたって世間一般における心理学のイメージ(臨床心理学も心理臨床もカウンセリングも、、、プロファイリングですらもおそらく似たような捉え方だろう)の分別作業とその経緯を紐解くことから始められている。その意味で現代日本の臨床心理学の抱える問題を題材に臨床心理学を仕掛けていると読むことも可能かもしれない。

近代化と日本文化、専門化(家)と非専門、国家資格化と非権威などといった要素が河合隼雄というひとりの天才の下に良くも悪くも(当著の中でも日本に心理学という言葉を膾炙せしめたという意味で河合氏の功績を認めている)化学反応を起こしたが故の迷路。しかし、1952年のアイゼンクの心理臨床批判に始まる「近代の知」は「臨床の知」をも克服するところまで発展している。ポストモダンはモダンによって超克されたのである。今は言語ゲームの戯れは終わった、それこそ今、此処で苦しんでいる患者を救うためにも河合隼雄氏の軛から解き放たれなければならない。