不穏極まる
★★★★★
「しはるじぇねしす」の4巻も出たばかり(あちらも面白い)の近藤るるる「たかまれ!タカマル」の16巻。
難波部長の企みであるもう一つのゲーム雑誌「S.M.L'」の立ち上げと
それに伴う周囲の反応、そしてもう一つの苦難、理事会にタカマルたちの活動内容に目を付けられ
青山という妖しげな顧問がやってくる。それに対するタカマルたちの反応・抵抗。
この16巻ではいろいろな「壁」がタカマル達に立ちふさがる。それをどう越えていくのかが気になる。
とりあえず百刈と鬼島が思った以上に微笑ましくて驚いた。
小さい百刈と大きい鬼島、アンバランスだがそのミスマッチっぷり、またこの漫画ならではの有り得ない勘違いも余計に二人を引き立てる。
交差点や病院などのオーソドックスなシーンもあるのだが、普通に気持ちが盛り上がってしまった。
また難波部長はやはり一筋縄ではいかない人物。
なんだかんだいって彼のカリスマ性はS.M.Lに大切なものをもたらしていたんだなあ、ということが分かる。
やっぱり苦難を潜り抜けた思い入れのあるキャラなので、単なる嫌な奴にならないでよかった。
そして後半の展開は流石に手に汗を握った。ゆきえさんの弱点があからさまになるこの監査シリーズ、
青山を単なる下衆に描くことによって、みんなのいい人っぷりが際立っている。
ただ近藤るるる的にどういう方向に、オチに持っていくのかはまだわからない。
しかし16巻になるのに依然として面白い、ハラハラする展開が続いている。
鬼島と百刈、また表紙にも出ている茉莉も何気に活躍しているし、難波部長は難波部長でまた勘違いを増幅させていくし。
まだまだ楽しめそう、まだまだ面白くなりそう。ネタ切れは今のところ感じない。
しかしゆきえさんは難儀な人だなあ。