食べ物へのこだわり
★★★☆☆
1998年にランティエ叢書(文庫)として出たものの新装版。
内容は変わっていない。
魯山人が1930-50年代に書いた16篇のエッセイがまとめられている。もともと『星岡』に掲載されたものがほとんどで、魯山人の食へのこだわりがストレートに表現されている。
茶漬けについての話が面白かった。塩昆布、鮪、ハモ、穴子などの茶漬けが取り上げられ、その味わい、食べ方、ポイントが指摘される。
とても頑固そうで偉そうなところは、いかにも魯山人の文章だ。好き嫌いが別れるところだろう。
160ページ弱と薄い本であり、いささか物足りない思いが残った。
食へのあくなき追求
★★★☆☆
北大路魯山人がコンブだしのとり方から東京のすし屋まで語った料理語録。彼は料理とは理(ことわり)を料(はかる)ることといい、合理的でなければならない、ものの道理に合わないことではいけない、と言い切っている。周りに対して厳しい人だったんだろうな。料理を芸術まで高めるにはコレぐらいしなければならなかったんでろうな。
色々な部分で同感できないところもありますが、料理に「命」をかけた男の考えの一端を窺い知る事が出来ます。
魯山人を味わう
★★★★☆
天才料理人で陶芸館の魯山人が食について語る。車海老の茶漬けは、呼んでいるだけでその贅沢さが舌に感じられそうだ。魯山人の食に対する姿勢、こだわりが楽しめる。ただ時代が古いため、名が出てくる店で味が落ちてしまっているところもあるのが難点。それでも、魯山人の舌、感性をたよりに食を楽しむのはいい。料理はすべて食材が命。魯山人の主張です。