社会学・実証主義の原点
★★★★☆
多くの創始者がそうであるように社会学・実証主義の創始者オーギュスト・コントとスペンサーも多くの批判にさらされた。しかし批判者のほとんどが彼らの著作をまともに読んでいたのだろうか?とくに「知識」を「実用」のためでなく「装飾(雑学)」として学んでいる方にとってコントとスペンサーのさけびは悲痛さを帯びて聞こえるだろう。
さて本書にはコントとスペンサーの主要著作がほとんど網羅されており、一冊で社会学・実証主義の原典を形成しているといっても過言ではない。とくにスペンサーの著作は、日本の自由化・民主化に多大な影響を与えたにもかかわらず、手に入りにくい状況にあるのでありがたいだろう。
社会学を専攻している方はもちろん「知識を学ぶことの意味」を模索している方にとっても持っていて損のない一冊である。