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連続性の哲学 (岩波文庫)

価格: ¥972
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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極めてユニークな形而上学(宇宙論)。意外な拾い物でした。 ★★★★★
1897年にマサチューセッツで行われた連続講演がベース。
プラグマティズムの祖としてジェイムズがもちあげ、記号論理学で有名な人物。
こんな程度のイメージだった。そもそも本書を手にしたのも、ジェイムズの
『プラグマティズム』を買ったついで(笑)。タイトルからカントールの集合論の
思想史的解説、位にしか思ってなかった。ところが、読んでみてビックリ!
こ、こ、これはっ!もろに思弁的形而上学=宇宙論の書ではないか!。特徴を幾つか。
① 当時(19世紀末)の最新の数学や物理等の新知見を織り込んでいること。
② 事実認識・考察過程は記号論理を重視。そこから一般化の段階では帰納的方法の限界
を意識し、そに思弁的な仮説的形而上学の意味を見出したこと。
③ 原初的なものとしての連続性(一般性・普遍性より高い次元とされる)をイデア的可
能態とし、現実化した宇宙はこのイデアから派生したとする。
④ 宇宙は進化的で保存則に従う物理的原理と、因果律が成立する不可逆的な精神的原理
の2要素もつ。等々…。
解説によれば、この講演はジェイムズが仲介し、ジョサイヤ・ロイスやサンタヤナ
も出席したらしい。荒削りではあるが、モチーフはホワイトヘッドの『過程と実在』な
みの壮大さ。両者の体系は良く似た点も多い
(ホワイトヘッドのEternalObject永遠的客体とパースのイデア界は似ている)。
ただ、ホワイトヘッドが形而上学に取り組むのがハーバードへ移った1924年以降なので、
文字通りパースは仮説的思弁哲学(宇宙論)の先駆者といってよい。いい意味での「いかがわしいさ」を備えた書。