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敗者の条件 (中公文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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競争とは何か ★★★★★
会田雄次はビルマで捕虜になり、英軍捕虜を虐待した日本人戦犯に対する英国軍人の陰湿、残酷な報復をまのあたりにしました。敗者の屈辱を経験した著者にとって、戦後の荒廃から復興し、平和さえ唱えれば安全と信ずる社会、競争をおそれ万事横並びをもってよしとする社会は坐視するに忍びなかったに違いない。本書は平和ボケへの警鐘として書かれました。

著者によれば、西欧のルネッサンス期は文芸興隆と同時に、内乱、戦争に明け暮れた苛酷な世界でした。その点、わが国の戦国時代とよく似ている。本書は、闘争の宿命を負う者として宿敵としての親子兄弟(斎藤道三、義竜)、覇者の子(織田信雄・信孝)について考察、次いで闘争世界の敗者として、一匹狼に徹しなかった者(イル・モーロ、斎藤道三)、最後の賭をためらう者(サヴォナローラ)、覇者の出自にこだわる者(佐々成政、滝川一益)、武勲をたてすぎた者(ヴァレンシュタイン)等々を取り上げ、闘争世界における敗者の条件を縦横に論じました。その冷徹な史観と鋭利な筆鋒はまさしく一読の価値があります。
「決断と不屈の精神と万全の計画を遂行していく力」(本文から) ★★★★★
ルネサンス、「君主論」の視点から、
戦国大名を“勝者”と“敗者”に規定して、
「競争」とは何か、「自由」とは何かについて論述されている。
人物像についての観察に加え、
結果事実から振り返っての歴史的意味づけも解説され、
実におもしろく、興趣あふれる内容です。
これはまた人間学、実学でもあります。
誰もが人生の敗者である。 ★★★★★
有名な「アーロン収容所」を書いた会田雄次さんの作品です。読んでみると結構読みやすく、歴史人物の逸話の紹介だけではなく、人生をうまく生き抜くための知恵や心がまえについて至る所に現れてくるので参考になる。西欧史を学んだ筆者の知識が生かされており、日本人には余りなじみのないルネサンス期の人物と日本の戦国大名との対比が面白く、読み応えがある。以前別な本で昭和天皇が「226事件の頃の日本とルネサンス期の世情が非常に似ている」と話されていたことを思い出した。現代社会の競争を勝ち抜くこと、人間の本性を知るという観点で読めば読む価値は高い。