ウルフラムは、科学における一連の基本問題── 熱力学の第二法則、生物の複雑な発達、数学の計算上の限界、物理学の基本的な理論の可能性、自由意志論と決定論の相互作用など── をひとつひとつ取り上げるというアプローチをとっている。
すばらしく明晰な語り口。1000枚を超えるオリジナルの図版。この独創的な本は、科学者も一般の読者も一様に、将来の重要な知的革命に参加することを可能にしてくれる。(Book Description)
Wolframは、今ではMathematicaの開発者として知られているが、高校生の時から素粒子論の論文を書き、セル・オートマトンの分類を成し遂げたりなど、早くから天才として著名である。彼は、セル・オートマトンが単純な規則から複雑な構造を作り出して行く(進化に興味のある人はDawkinsのBlind Wathcmakerを思い出すだろう)の惹かれて、宇宙を作っている原理は規則と情報であるという独特の世界観にたどり着いたようだ。もちろん本書のタイトルがNew Kind...であることから分かるように正統的な考え方からははずれている。おそらくこれから、いろいろな分野の人たちによって議論されるだろう。