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自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法則 (ちくま学芸文庫)

価格: ¥1,680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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複雑系の本領発揮 ★★★★★
ワールドロップの「複雑系」で初めて複雑系科学の深さを知り、
本書を読みました。

多少の物理学・化学・生物学・進化理論・数学を知っていないと、
また全神経を集中して読まないと、
なかなか理解するのが大変な書籍ですが、
読後の満足感はものすごく大きいものでした。

自己組織化と自然淘汰が上手く結びついています。
また、秩序・カオスの縁・カオスの違いも見事に解説されています。

本書を中核におくと各科学分野がより理解できそうな気がしてきます。
以下に本書と整合しそうな、若しくは共進化しそうな書籍を列記します。

進化理論:
リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」「延長された表現型」「盲目の時計職人」
ダニエル・デネット「自由は進化する」「解明される意識」「ダーウィンの危険な思想」
脳科学:
アントニオ・ダマシオ「感じる脳」「無意識の脳 自己意識の脳」「生存する脳」
ジョセフ・ルドゥー「シナプスが人格をつくる」「エモーショナル・ブレイン」
心理学:
M・チクセントミハイ「フロー理論 喜びの現象学」「楽しみの社会学」
スティーブン・ピンカー「人間の本性を考える」「心の仕組み」
社会学:
アルジュン・アパデュライ「さまよえる近代」
サミュエル・ハンチントン「文明の衝突」
経営学:
クレイトン・クリステンセン「明日は誰のものか」「イノベーションの解」「イノベーションのジレンマ」
P・F・ドラッカー「イノベーションと企業家精神」「マネジメント 上下」

そして未だ読んでいませんが、
本書に出てくる経済学者ブライアン・アーサー「収益逓増と経路依存」は、
当然本書と整合するでしょう。

複雑系の研究がより一層進み、全科学分野の統合理論になり得るか、
大きく期待しながら見守りたいと思います。
深淵な哲学とベタな論文 ★★★☆☆
「われわれすべては宇宙にしかるべき居場所を持つ」
生命は,自然淘汰がガラクタを弄り回した結果偶然に創出したものではなく,森羅万象を掌る絶対法則によって必然として発生した,という深淵な哲学には大いに魂を揺さぶられる。
ただし,科学技術論文として読んでしまうと,図表の使い方やその説明のベタさ加減にうんざりしてしまう。たった一つの図しか使用していないのに,粘り強い文章で丁寧な抄録としてまとめあげられたダーウィンの「種の起原」のほうが説得力で勝ると思われるのはなんとも皮肉な結果だ。
複雑系ネットワークに限るのであれば,ストロガッツ,バラバシ,ブキャナンのほうが分りやすく,かつ読んでいて楽しい。
ワクワクすればよい ★★★★☆
「複雑系」(新潮文庫)を読んでいたので理解できた部分も多いけれど、細かいところはよくわかりませんでした。わからないんだけど、なんかワクワクするんですね。たぶん、なんの結論も出ていないのだと思うのだけど、夢があるのです。ひとつ間違うと絶望的な話になりかねないようなところもあるのだけど、カウフマンおじさんは元気づけてくれる。がんばろっと。
複雑系の第一人者が語る自己組織化 ★★★★★
はっきり言って高度な科学書です。まず自分自身の解かる章からお読み下さい。

1.まず生命の起源
 これは単純なアミノ酸からなぜ生命が生じたのかを複雑系を通して
解説しています。
2.生命のネットワーク
生命の秘密は触媒作用にある
ここからネットワークへの導入部になっています。主に化学的な説明とネットワーク図
による解説です。

3.個体発生の神秘
これは遺伝回路を用いて個体発生の自発的秩序を説明しています。

他にもカンブリア紀大爆発から地球文明の出現までをありとあらゆる森羅万象を
「自己組織化」というテーマからカウフマンは読み解いています。

従って本書のみを読んで理解するのは不可能と考えてください。
巻末に或る索引の科学的内容を一通り理解していなければ、本書の内容を
把握できません。
しかし、悲観する事はありません。
自分の専門、得意分野の章だけを拾い読みすれば良い訳です。

私自身も本書を三分の一程度しか読んでいませんし、知人も学会などの
プレゼンテーションに本書からの引用をよく用いますが、実は一部しか
読みこなしていません。
それだけ多種多様な科学知識を要求される書物です。

しかし、部分読みでも良いから本書に挑戦してみてください。
知的好奇心を十分に、いや百分にも満たしてくれる恐ろしく濃密な
内容の書物です!
科学する心 ★★★★★
複雑系で一世を風靡したサンタフェ研究所の重鎮による生物学的創発特性に特化した
複雑系アプローチの概説です。

もはや熱に浮かされた時期は過ぎております。
一世を風靡したかのようなサンタフェ研究所の紹介は、研究費獲得という特殊な利害を
見据えた「宣伝工作」といった側面が強かったこと、このアプローチには実験的な検証
がないこと、そして具体的な(「予測」に成功しないこととは別に)再現性が見られな
いことなど、諸手を挙げて称揚するわけにはいかない点が多々あることも、かつて一世
を風靡したからこそ、広く知れ渡ってしまいました。
さらには、新しい発見がどんどん出てくる中で、これまで還元主義的方法では説明がつ
かないとされたことに、還元主義的に説明がつくようになるかもしれない例も出てきて
いて、実験的な検証がないことへの反論であった「じゃあ、他に説明できないじゃんか」
も、若干有効性が疑わしくなってます。

もう、素直に熱に浮かされた素朴な私じゃありません。

ああ、でも徹夜で読んでしまったのは何故?
まさに巻を措くを能わずって感じ。

普通に考えて「ありえないことが、現にありえている」不思議。
その神秘に挑むにあたって、還元主義的であるか複雑適応系と見なすアプローチであ
るかは、もはや大きな差ではないのかも知れません。
不思議に挑む科学の心こそ、何にも増してロマンチックであります。
やっぱり熱は冷めていなかったのかも。

蛇足:「ありえないことが、現にありえている」こと、社会学の領域ではルーマンが、
このことを明示していますね。ルーマンはこの種の複雑適応系における創発特性をどの
程度念頭に置いていたのかしら?