文法の基礎固めに使おう。思いのほかパワフルな一冊。
★★★★★
この本はNHKラジオの応用編の再構成。入門を終え、初級文法をとりあえず終えてさて今度は何をやるか迷っている私のような学習者にちょうど良いレベルだと思います。HSKは07年6月の時点で4級であったが、その時に感じたことは、文法を使いこなせていない、語句が足りなすぎる、慣用表現や成語の言い回しをちっとも知らない、など反省しきり。まだ勝負にならない、土俵に上がっていない感じでした。確かに半年留学してヒアリング能力は上がったと思いますが、「聞く」だけでは「話せる」ようにならないのもまた事実だと思います。もう一工夫、プッシュが必要なようです。ではそんな時何をしたらいいのか?現地の北京大学や北京語言大学の出版物は山のようにあり、それらでももちろんいいのですが、日本語の解説が(もちろん)無いので、独学では力が伸びていないと感じるようになりました。そこでこの本の出番です。この本は重要な文法事項が上手く整理されており、なおかつ例文も豊富。問題集もコンパクトながら載っており、自分の曖昧な理解を戒めてくれます。単語のレベルも易しすぎず難しすぎずちょうど良い。チャレンジコーナーの<失敗から学ぶ正しい表現>は解説が充実している。つまり痒いところに手が届く、といった感じでしょうか。いたずらに読む量を増やすより(もちろんこれも大事だとは思うが)今までに他の本で学習した基礎的な文法事項はどのように使うのか、ここにフォーカスを当てている点で、こういうことを「語感を磨く」というのか、と感心しました。ずばり、「看板に偽り無し」。HSK6級以上を目指す方や、中検3級、2級以上を目指す人におすすめです。この本のレベルをマスターすれば3級は楽に受かるのでは?将来通訳を目指す人も基礎文法の総整理に使えるかもしれません。