その後の5曲は、いささか冗漫。タイトル曲の「OFF TO THE RACES」の緊張感溢れる演奏こそ傾聴に値するものの、最初から熱くなりすぎてクールダウンに時間をかけすぎたという感じです。よって、アルバム全体として満点を付ける訳にはいきませんが、1曲目のお陰で昔から座右の盤として愛聴しています。1,500円の廉価盤ですので、ジャズ初心者にもお薦めの一枚!
個人的には最初のテーマ演奏で僕の好きなサビのメロディが出てこないところがよくないと思うんですが、サビ抜きなんてのは子供が寿司を食うときにやるもんです。オトナのやることではありません。で、あまりに速過ぎるテンポ設定も、この曲のイメージとしてはどうか?…という気もしますし、いやあ、今日の僕って辛口ですね。が、ジャッキー・マクリーンとペッパー・アダムスを配した3管編成が悪かろうハズがなく、個人的には2曲目の「ホエン・!ユア・ラバー・ハズ・ゴーン」(だっけ?)が泣けますね。ロリンズの能天気な「ポールズ・パル」のほのぼのムードもよろしいかと。
で、マーチ調のタイトル曲が元気一杯でいいですね。ところでこの曲って、エルビン・ジョーンズの「ケイコのお誕生日マーチ」に酷似しているような気がするんですが、どんなもんですかね?ま、別にどうもしませんけどね。いずれにせよ、3管編成ながらアレンジがさほどコテコテでないところがポイントかと。ファンキーというより、ハード・バップ的な地味名盤…と言える1枚だと思います。