隠れもしない名盤です(笑)
★★★★★
一曲目のハードボイルドな雰囲気に圧倒されちゃうよね、誰しも。この曲は流石にバードだなと思うね… シンプルだけど良い曲… てか、よくデックスに提供してくれたなと、ちょっとマイナーな感じが明るいファンクジャズを志向し始めたバードには自分のアルバムに入れるには重過ぎる曲だったかも知れない。リズムは違うけれど「スロードラッグ」みたいな基本としてはワンコード一発のブルースにブリッジ付けた様な、実は後々マイゼル兄弟と組む様になって結構有る… 勿論ビートは細分化されてるけど。この曲はブリッジつうかサビが全くの哀愁ハードバップってとこがミスマッチの様でピッタリはまってて格好良い!二曲目は逆にテーマがハードバップ的、ワタシ実はこの二曲目のデックスのソロが大好きですね… 譜面にしてたとは思えないんだけど見事なくらい起承転結がハッキリしててバードへの繋ぎも完璧です!絶妙にフェードアウトしている(笑)珍しいです。バードがここまでモーダルなプレイするのも珍しいかも、むしろ「エチオピアン・ナイト」の時期にならないと、こういうソロは無いかな?「ダーン・ザット・ドリーム」はデックスが上手いのは当然として、ワタシはケニー・ドリュー翁の上品なコードワークに聴き入ってしまうんだね。こういうプレイを聴くと「汚い音が一つも無い」ってのはエディ・ヒギンス翁の代名詞みたいに言われるけどドリュー翁のが守備範囲の広さ含めると上であったと実感します。代表作とか傑作かとかは置いといて良いメンバーが良い曲を持ち寄っての質の高いセッション… 私的には名盤ですね。
「アワ・マン・イン・パリ」の一年後、メンバーを一新したパリ録音第二の傑作
★★★★★
60年代にヨーロッパに活動の拠点を移したデクスター・ゴードンが、やはりアメリカからヨーロッパに渡った盟友ドリューやアート・テイラーらとのこした、美しいセッション。その充実した気持ちを示すかのように、たっぷりとテナー・サックスを吹き鳴らすゴードン。18分を超える「タニア」で耳にできる、まだ18才だった天才ベーシスト、ニールス・ペデルセンの自在なフィンガーワークも、大きな聴きものになっている。
デックスの最高傑作はこれ。「タニヤ」を聴け!
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ジャズの本を開いてみると、大抵デックスのベストは「ゴー」もしくは「アワ・マン・イン・パリ」あたりと相場が決まっている。しかし、私が実際に自分の耳でBNの全リーダー作を聞いてみたところ、本作がベストとの結果になった。
実は、マイルズの「ビッチェズ・ブルー」からジャズに入った私にとって、デクスター・ゴードンはしばらく疎遠な存在だった。そんな彼に一気にのめりこんだのが、TVで耳にした「タニヤ」だった。本作は、私のデックス開眼作でもある。
その「タニヤ」、不良っぽい男の、内面性というか薄暗い孤独を、LP片面18分以上をかけて描ききった渾身の名演だ。フィリップ・マーロウのテーマ曲みたいな、ハードボイルドそのもの。デックスは基本的にワン・ホーンの人だと思うが、ここでは、作曲者のドナルド・バードのペットもいい。そして、意外とキーになっているのが、アート・テイラーの、ドッタンバッタンした、なんとも無骨で芸の無いドラミングではないのか? (まだ十代だったペデルセンのベース・ワークはみんなが口にするから敢えて触れない)。
次の、ケニー・ドリュー作曲の「コッピン・ザ・ヘヴン」も、男気とミステリーが綯い交ぜとなった緊張感溢れるトラックだ。
そして、最後は、糖分控えめで気品のある甘みが特徴の「ダーン・ザット・ドリーム」。
「カインド・オヴ・ブルー」や、ビル・エヴァンスの「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」ほどではないが、1枚のアルバムとしてのトータル性−持続する雰囲気も兼ね備えている。やはり、どこからどう聴いても、デスクター・ゴードンのベスト・アルバムだろう。
ちなみに、本作はだいぶ前から所有していたが、それにはボーナス・トラックの「コング・ネプチューン」が含まれて居なかった。同日録音だから...と期待して、4曲入りの本CDを購入したが、ウ〜ン...決して悪くは無い、むしろ上出来の部類の演奏だが、「3曲のみ」のオリジナル・フォーマットにあまりにも慣れ親しんだせいか、アルバムを通して聴くと、なんかイマイチ、ぴんとこない、というのが正直な読後感。
最初から4曲入りで聞いたリスナーには違和感無いのだろうが...
不思議な名盤
★★★★☆
1に尽きるのだが、奇跡に思えてならない。 こんなにカッコイイ モーダルな曲をD・バードが書いてデックスが憂いたっぷりに聴かせるなんて誰が予想できたか?。 A・テーラーのドラムスも控えめながらも印象的で素晴らしい。まさにPOST BAPな響きなのにPOST BAP的な人は誰もいない。 しいて言えばN・ペデルセンが新しくS・ラファロみたいで新人とは思えないセンスだ。2もクールでとてもイイ。隠れた名盤ってこういうアルバムを言うのだろうなあ。
デックスの隠れ名盤!?
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1940年代から活躍しているデクスター・ゴードン。
勝手にビバップ時代のプレイヤーと思っていたが…こんなにモダンなプレーをする人だったとは。
素晴らしいアルバムです、本当に聴かず嫌いで終わらずに良かった!一般的に『Go!』ばかり紹介されるけどこっちのほうがいいじゃん…。
ミディアムな曲が主ですが、新主流派あたりのアルバムが好きな人はジャケットを含め必ず気に入るはず、録音も良いです。それにしても50年代を麻薬でふいにした彼がここまで時代に対応したプレーができたのは脅威。
そういえば輸入盤の方だけ『Kong Neptune』が追加で収録されているので日本盤は要注意!