インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

遺伝子vsミーム―教育・環境・民族対立 (広済堂ライブラリー)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 単行本
ブランド: 廣済堂出版
Amazon.co.jpで確認
ミーム興味への入り口 ★★★★☆
ミームは、とても掴みどころの無いもの。
それ自体形があるものでは(おそらくは)ないので、
まだ有効な概念であるのかどうかも
概念の定義も議論の終わっていないものだ。
でも、40年近くも前に提唱されてから、今だに議論がされ続けているということは、
それだけの魅力があることの証拠だと思う。

本書はそのミームについて、進化生物学の土台の上で様々な論考を広げている。
個人的には、電子メディアの発展がミームの進化にとって
どのような影響をおよぼすのかという論考が大変おもしろかった。

後半はミームという枠組みで現実世界の事象をとらえる応用事例。
このあたりも(それ以前のミーム概念に染まっていると)全くその通りと思うわけだが、
著者のスタンスは
「ぼくはミームという概念の有効性は、定量的な記述や予測などではなく、
比喩やアナロジーにもとづく問題発見能力にあると思う」
というところにあるので、問題提起と解決の方向性の提示にとどまっている。

ミームについて長年研究し・興味をもたれてきた著者の主張なので、
その見解は非常に説得力があるのだが、
前半で盛り上がっていた「ミーム」それ自身について
もっと知りたいと思った。
続編を期待したい。
絶滅危惧種や少数民族文化を絶やしてはいけない根拠 ★★★★☆
人が遺伝子という遺伝情報の乗り物とすると、人は模倣子(ミーム)という文化情報の乗り物ともいえる。

2大ミームは言語と宗教である。

ミームは時として遺伝子に勝る時があり、宗教による自爆テロや集団自決または避妊など、遺伝子の側からみると不利な行動はミームによるものとも考えられる。

ミームが優勢でない人間以外の動物は、遺伝子の存続に不利になるような行動はほとんど見られず、進化論的な考え方で説明がつきやすい。人だけがする不思議な行動はミームによるものと考えられる。

遺伝子とミームとの共通点は、両者は均質になればなるほど、突然な環境の変化に弱くなり、一定の突然変異を含まないものは淘汰される。

DNAは二重螺旋構造をしているが、1本は突然変異率が高く1本は低い、より原始的なウイルスなどのRNAは1本しかない。

種も文化も厳しい淘汰にさらされ、均質になりすぎると突然な環境の変化で滅びる運命なのだろう。

多様なものが混沌としている状態が安定なのである。
絶滅危惧種や少数民族文化を絶やしてはいけない根拠はここにある。
ミームとは何か? ★★★☆☆
ミームとはリチャードドーキンスが提唱した概念でして、
遺伝子が親から子へ伝わるよいったものではなく、
いわゆる宗教や文化などが伝播する概念です。

例えば日本の特攻隊や同時多発テロリストなどは自らの生命を
捨てて自国を守る概念が浸透しています。これがミームの概念です。

またオアシスの音楽、村上春樹の小説、ヒッチコックの映画、
コカコーラでも良いのですが、国境を越えて伝播していますよね。
これらをミームと呼んで差し支えありません。
遺伝子でもなく伝わるそしてあたかも遺伝子のようにその人の
思想、考え方、行動に影響するものを総括してミームと呼んでいいでしょう。

本書はそれらを見事に解説しています。また以前、著者はホームページを
更新していたので私はよく観ていましたが、莫大な読書量を誇る博識家です。
本書にもその片鱗が現われています(引用多い)
興味深い ★★★★☆
ミームというのは、遺伝子とは違うが、垂直に遺伝する文化などのことを言う。非常に面白い概念で、私は最近これにはまっている。ドーキンスが「利己的な遺伝子」で提唱した概念で、かれこれ30年経ち、様々な研究がなされ、しかしながらも、遺伝子のように、可視的ではなく(可視的である可能性も否定はできないが)ワトソン&クリックは、未だ現れていない。以下、挿話抜粋。 ・今ある不幸の手紙の原形は、1920年代のルイジアナまで遡ることができる・NYの雑踏の中で、見ず知らずの人に道や時間を教える人が9割もいる・人が突然、恋に落ちるのは、そのような衝動がないと、価値判断できないから。・人間は10度の水と15度の水の区分を触覚でしにくい。しかし、39度と40度ならば可能である。これは、40度という体温が人間の生命にとって重要だから・DNAの染色体はなぜ2本あるかというと、一本は遺伝に、もう一つは突然変異するために。・人間は銀河系の成り立ちや、生物進化よりもセックスや料理に興味を持つ。なぜなら、後者の方が、自分の遺伝子が生き残るために重要な情報だから
これはちょっと… ★★☆☆☆
ミームその物の説明は中盤の20ページにも満たない文章でしかない。
前半の生物学関連の基礎知識の解説は、専門用語を使用して基礎知識を解説するなんて、この手の本もっともやってはならないことが行われている。
後半は前半で仮説したミームを使用しての、著者の文化論や道徳論が始まるのだが、非常に観念的で事実誤認が大量に見受けられる。

ひとまず、土地所有の問題が発端になったユーゴ問題を、イデオロギーをその原因に位置づけることで、ミームを使って読み解くのどうかと思う。