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ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

価格: ¥1,134
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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ハッピーエンドでもありバッドエンド ★★★★★

物語はハッピーエンドで終わった。だけど、バッドエンドだった。

戯言シリーズはここに完結。ハッピーエンドで完結しました。おめでとう、やっぱりバッドエンドよりハッピーエンドの方がよっぽど良い。

なんて、そう簡単にハッピーエンドになるとでも?
これはバッドエンドだよ。

ここにきて、最後の最後に俺達の期待を裏切るような西尾維新じゃあ、ない。

俺達にとってのハッピーエンド、つまりバッドエンド。物語がバッドエンドなら俺達はハッピーエンドで終わっていた。

物語がハッピーエンド、つまり俺達にとってはバッドエンド。

おめでとう、西尾維新は最後に俺達をバッドエンドにしやがった。

アトガキに『あなたの心には、何が残りましたか?』という一文。俺達は心に何かが残った。それは戯言遣いの心に残っていた青色サヴァンのように。この、心に残っているものがなくなるまで、俺達には

ハッピーエンドはない。
紙面を駆け抜ける文字列 ★★★★★
最高傑作とは言わぬまでも3本の指に入った。
読後感もたまらない。
独特の語り口、言葉選びのセンスは相も変わらず、
一転二転するストーリーには寝不足必至。
異端かつ先鋭、ふた癖ある極上エンターテイメントです。
戯言シリーズ文庫化完了。あらためて読んで。。。 ★★★★☆
シリーズ1作目から再度通読してみましたが、
やはり心地いい疾走感でした。
戯言の文字どおりに、ある意味コトバ自身が主人公。
伏線回収などのつじつまあわせは、もはやどうでも
いい気がしました。
物語ることを仮に装いながら、ほとんどオートマチック
な横滑り感で疾走していく戯言を楽しむシリーズです。

特にネコソギ3巻の「物語」を紡ぐことへの、愚直すぎ
るほどの懐疑(のフリ)、しかし、結局はハッピーエン
ドを選び取る諦念と確信(のフリ)は、西尾さんにとっ
て、必然だったように思えます。
このプロセスをへて、あらためて物語を書くことへの
西尾さんなりのスタンスがかたまったように思えます。
(「化物語」等との色合いの違いも、たくましさかな?)

伊坂某とか読んでてつまらないのは、やはりこうした
恥ずべきこと、しかし今や必ず経なければならないことを
経由していない能天気さを感じるからかもしれません。

少年の成長物語,そしてそれが伝わる最後の言葉 ★★★☆☆
最終章三部作の最終巻,『戯言シリーズ』6作目にして9冊目はシリーズの完結作です.

読み終えてみれば主人公である少年の成長物語であり,ヒロインとの二人の物語でした.
何度も傷を負い,気づき,失敗し,また考える…それでも最後に彼の隣に居たのは彼女で,
1作目と同じサブタイトルに還った事は,きわめて当たり前の事だったように感じられます.

また,周りの人物が少しずつ去る中盤は,何とも言えない侘びしさを感じるとともに,
彼らの物語,そして本作自身が『結末』へと向かっている事を強く意識させられますし,
最後の章の王道的で少し明るい感じは,それまでを考えれば違和感も無くはないのですが,
少年が選んだ道とその『理由』は,彼の成長がしっかりと伝わるよいものだったと思います.

物語の謎と言いますか背景については,人物や単語の類まで含めればそれこそ無数に,
また二人の過去など,大きな部分がほとんどハッキリしていない事に不満は残りますが,
何とか根幹には触れられており,成長物語との意識を強めれば辛うじて許容できそうです.

ただ,過去の自分に重ね,救いたいと願った『最終決戦』の意図は理解できるものの,
できれば『戯言遣い』,そして著者らしく,長い長い『戯言』を見てみたかったですし,
その後にあったはずの少女とのやり取りだけは,どうしても描いて欲しかったところです.

ノベルス版との違いは,表紙,表紙袖の前口上,カラーの扉絵,アトガキとなっており,
こちらも最後となるカラーのしおりは,もちろん彼と彼女のツーショットになっています.

なお,『戯言シリーズ』の文庫化と同時に起ちあげられた『西尾維新文庫』はここで一休み.
09年の秋から再始動となり,今度は『JDC TRIBUTEシリーズ』の2冊が文庫化されるとの事です.
360°回って”アリ” ★★★★★
確かに僕も、この戯言シリーズがこのような円満なハッピーエンドを迎えたことには、最初は非常に驚きました。
なぜなら、こういった「世界系」の作品ってのは、エヴァにしたって、クロスチャンネルにしたって、大概がバッドエンドだったり、あるいは良いとも悪いとも判別付けがたい抽象的で曖昧な――それこそ戯言のような終末に至るのが定番だから。
でも、だからこそ、そういった斜に構えた「定番」の、さらにその斜め上を行く「ハッピーエンド」を選択した西尾維新、僕は本気で凄いと思いました。
あとがきの通り、ハッピーエンドが嫌いだから世界系を描き、その世界系の殻を破る為に、敢えて誰も想定しなかったハッピーエンドを描く。
それを短絡でもなく、短慮でもなく、適当でもなく、丁寧に時間をかけて確信的に表現しきる発想と能力を持っていたからこそ、数多あるラノベ、世界系の中で、西尾維新は一歩、抜きん出ることができたんじゃないかと思います。
これだけ一周360°回って“あり”だと思った結末は、東京大学物語の「妄想エンド」以来。
通常のマンガや小説をなら、いくらでも盛り上がる展開を幾度となく作りながら、その全てをことごとく“砂山を崩すように”呆気なく倒壊させながら進んでいるストーリーってのも、僕的には、かつてなく斬新だったんだけどなぁ。。。

一つ個人的に気になるのは、この作品について☆1つとかの評価を下しているレビュアーさん達が、いったいどんな視点でその点数をつけているのかってこと。
単に180°の視点から、「つまらないハッピーエンドものになってしまった」と失望しているのか。
それとも540°の視点から、「意表を突いたハッピーエンドではあったが、それを描ききる為のスキルが不足している」と叱咤しているのか。
例え口上で同じようにハッピーエンドを批判していても、その真意により全く意味は異なってくると僕は思います。