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司馬遼太郎が考えたこと〈6〉エッセイ1972.4~1973.2 (新潮文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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「国家」を語る司馬さんの意気込みを感じます。 ★★★★★
これは、1972年から1年間に司馬さんが書いたエッセイを集めたものです。73年からNHKで「国盗り物語」が始まっているのですが、司馬さんは自分の小説のドラマ化には、余り興味を持たれていなかったようですね。
 この時期は、「翔ぶが如く」を執筆されていた時期なのですが、司馬さんの関心も「国家」というものにあったようです。
 「維新のあとしまつ」では、日本の国家の将来像を探る維新政府内での葛藤を描かれています。
 また、「日露戦争の世界史的意義」では、「ヨーロッパ人というのはまわりによく似た水準の国家が群がっていますから、軍人といえども比較的自分の位置なり価値なりを決めることができますね。ところが極東の僻隅で、むやみと近代化してしまった日本にあっては、軍人は野郎自大にならざるを得ない。」と書かれ、日露戦争の奇跡的勝利によって高慢になっていく「軍」と「国家」の様を語られています。
 暢気で明るかった江戸時代までの国家と、明治時代からの国民国家という近代国家の重さを探ろうとされている、司馬さんの意気込みを感じます。
ゴッホの評伝が興味深い ★★★★★
第6巻は昭和47年~48年、司馬48歳から49歳にかけてのもの。
昭和47年の夏、「坂の上の雲」4年半の連載が終わったためか、日露戦争に関するものが多い。また戦争に関する話題としては、司馬自身の従軍経験から、日本陸軍の戦車についてのまとまった論考があり、これが怨念に満ちているという感じがあって大変興味深い。

面白かったのは、幕末の志士で長州藩の大物であったにもかかわらず、維新後政治の表舞台にたたなかった白井小助という人物に関する文章。この人物がはちゃめちゃで、12年後輩の山縣有朋の私邸をたびたび訪れては、荒らしていく様子が大変ユーモラスだ。なにしろ、山縣の奥方を酒樽に放り込んで、そこから柄杓で酒を飲むというのだから、とんでもない狼藉である。しかし愉快である。

特に珍しく思ったのはゴッホに関する評論。やや唐突ではあるが、こういうのものも書いていたのか、とその興味の幅に驚いた。

1度読んでみてください ★★★★★
 司馬遼太郎さんの本を読んだことがある人ならすでに承知のことかもしれませんが、日本の歴史を知りたくてしょうがないという範囲での問題ではなく、歴史とはいったいどのようなもので、運命には逆らえないというものの歴史はこういうことで動いていくのではないかという1つの考え方を教えてくれる本です。

 それだけではなく、一市民のありふれた日常に光景やイベントなどもおさめられており、堅苦しくなく飽きることなく読破できると思います。(短編集なのが特にいいです。)
 今回は、戦争について多く書かれていますのでそちらのほうに関心があるほ面白いのではないでしょうか。