子供の頃は児童文学書で、30分物のテレビドラマで手に汗握り、映画ではエリザベス・テーラーのレベッカに憧れました。長じてはこの岩波文庫で読みました。今も愛読書です。
余談ながら(^^;)ナルニア国物語「魔女とライオン」/タムナスさん宅の本棚にある「森に住む坊さん」はアイヴァンホーのタック和尚じゃないかと心ひそかに考えています。
特にリチャードと修道僧タックとのやりとりが面白い。この場面では、どちらも正体を明かしていないのだが、イギリス人なら誰でもすぐにこの二人だとわかるらしい。そしてそこに現れるロビンフッド。この3人が、誘拐された郷士セドリック(アイヴァンホーの父親)とロウィーナ姫たちを助けに向かうところで上巻は終わる。いよいよ冒険活劇っぽくなってくる。
しかしこの時代劇風の翻訳、最初は面食らったが、徐々にこれでなくては!というところまで馴染んでしまった。
そこに駆けつけた黒騎士(リチャード獅子心王)によって、御堂の騎士団の不正も正され、アイヴァンホーも父セドリックと仲直りをし、めでたくロウィーナ姫と結婚する運びとなった。
ロウィーナのもとを訪れ、どうぞご主人にお礼を言ってほしいと頭を下げるレベッカ。この礼儀正しく、清廉潔白なレベッカの気持ちを考えると、思わず涙してしまう。
登場人物が魅力的であり、ドキドキはらはらもあり、エンターテインメントとしても一級品だと思う。