初めて読む人にはいいかも
★★☆☆☆
童門さんの著作を何冊か読んだことのある人にはお薦めできません。
「情の管理・知の管理」
「男の器量」
「人間の器量」
「戦国名将一日一言」
「戦国武将に学ぶ名補佐役の条件」
を読んだ人は、目新しいエピソードがほとんどないといっていいです。
私は童門さんの作品の読者の一人ですが、今回に限っては内容がタイトルに負けています。
泣けません。私には蒲生風呂の話と、福島正則の八丈島の酒の話が少し効果がある程度でした。
各武将の頭の良さ、人間としての器量の大きさを紹介しているエピソードは多いです。
しかし、「だからといってどこが泣けるの」どまりなのが残念でなりません。
童門さんの著作では上記の5冊や、それ以外でももっと泣けそうなエピソードがいくつもあります。
今回は取り上げるエピソードのチョイスがありきたりだったのが一つ。
展開が進む上での部下の命を賭した諌言、上位者・権力者の反省や温情、
平伏した部下の肩が震える、嗚咽が漏れる、などの童門節が少なかったのも
泣けない原因だったのではないかな、といった感想です。