大勢関わっている割に全体が巧く編集されているように思いますし、専門書ではありますが、レヴュアーのような門外漢でも比較的分かりやすく、シンボリック相互作用論の社会学史的な位置づけから、最近のミクロとマクロを統合するような試みまで、一通りのことがこの一冊で理解できるようになっています。
シンボリック相互作用論については、この本の編者、船津衛氏の『シンボリック相互作用論』が日本における研究書としては端緒となっているようですが、およそ十年前の本とは言え、やはりそれ以降の新しい動向を含んでいて、また、その後はこうした理論自体を対象とした本を見かけないことを考えると、有用な一冊なのかと思います。