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ヴァーチャルとは何か?―デジタル時代におけるリアリティ

価格: ¥3,045
カテゴリ: 単行本
ブランド: 昭和堂
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情報哲学を補完するヴァーチャル哲学 ★★★★★
著者はミシェル・セールの高弟であり、明晰な議論が展開されている。セールの著作の大半は邦訳されているが、レヴィの著作は初めてであり、この邦訳は意義がある。内容的には<ヴァーチャール>の概念が、デジタル世界のみならず日常世界においても重要な概念であり、デジタルによる演算の諸成果が、ハイパーテキストなりを定式化して、現実社会を構成している。その基盤を形成する概念がヴァーチャールなのであり、これは伝統的な哲学的存在論とどのような位置付けにあるのかを問う。セールはご承知のとおり20世紀最大の哲学者ハイデガーの現存在(Dasein)を懐疑的に見ている。その延長上でレヴィがヴァーチャールの観点で展開する存在了解は実に興味深い。
20世紀末にイタリア出身のルチァーノ・フロリディが情報哲学を提唱し、論理的一貫性を成し遂げたが、現象世界を思弁的に位置付けるにはなお作業不足であった。その不足を補える議論が整然となされている。快哉なるかなである。
監訳者はポリグロットともいえる多言語に精通したライプニッツ研究者で、適切な訳文である。訳者の創意に満ちた翻訳に拍手を送りたい。内実ともに意義のある議論である。