格好良く疾走するEvansの凛々しさ
★★★★★
普通のTrioなら、ベース、ドラムが変わっても、ピアニスト
が主導権を握り、そうカラーが変わる事はありません。
Evans TrioはLafaro,Motianの繊細にして豪胆、Israels,Bunker
の温かい小気味良さ、そしてGomes,Morellのぶっとく過激な
疾走感。これもまたたまりません。それぞれ好みはあるでしょうが、
Evansの三位一体だからこそ奏者が変わるとこんなにも変化するのですね。
これこそがEvans Trioの魅力です。そしてこのThird Trio,リズム隊が
Evansに挑む形です。Evansもそれに応えてラディカルに格好良く
フレーズを紡ぎだし、疾走します。このスリルがThird Trio。
そして74年頃には練れて三者が溶け込んだ、美しく凄み溢れた
Third Trio を魅せてくれます。
隠れた名盤
★★★★★
You're Gonna Hear From Meはあんまり知られてないのに、内容は素晴らしい。
何でかと思ったら、死後、発売された未発表音源だとか。納得。
十八番のSOMEDAY MY PRINCE WILL COMEに痺れます!
第三期エヴァンス・トリオの秀作
★★★★☆
エディー・ゴメス、マーティー・モレルとの第三期エヴァンス・トリオのライブ盤です。コペンハーゲンのJazzhus Monmartre での演奏を2枚のアルバムに分けて発売されたものの一つです。(邦題『ワルツ・フォー・デビー・ライブ』)もう片方はJazz House(邦題『枯葉』)
悪く言えばエヴァンス・トリオのヒット作オンパレードですが、志の高さと、メンバーの違いからか、決してアルバムの質は低くありません。逆に70年代へと続く演奏形態の萌芽が見られるクリエイティブな演奏をしています。とりわけ素晴らしいのは「Nardis」で、曲の雰囲気を決める短いイントロに続く熱演は、第三期エヴァンス・トリオが演奏する同曲の最上のものであると私は考えます。(モントルーの演奏に比する内容です。ドラムが若干劣るのはご愛嬌。)
全体的にはそれまでのエヴァンス・トリオの雰囲気を残してはいますが、70年代の演奏にある明るさをたたえた演奏が続きます。これは想像ですが、エヴァンス・トリオの世評と実力が一致し始めたことと関係があるのではないでしょうか。
数少ない難点を挙げると、録音のバランスが悪いです。左右のスピーカーから各楽器の音が聞こえます。録音自体は悪くないので、これならばモノラルで出してくれればいいのにと思ったのは私だけではないと思います。
最後に本作の内容からは離れますが、このアルバムの録音から離れること10日ばかりで、ダラー・ブランドの「アフリカン・ピアノ」の録音が同じ場所で行われています。叶う夢ではありませんが、同年同月にカフェ・モンマルトルに居たかったと願うことしきりです。
60年代の掉尾を飾る快作
★★★★★
60年代のエヴァンスはスコット・ラファロ、ポール・モチアンとのインタープレイを完成させピアノトリオの革新的フォーマットを築き上げたが、その蜜月もラファロの死で淡くも露と消えた。その後もエヴァンスのインタープレイの探求は続いたが、メンバーや構成も猫の目ように変わり、ラファロとの興奮は再現できなかったといえよう。しかしエディ・ゴメスとのコラボレーションは高水準で安定したプレイを約束し、70年代にはいってからも数々の傑作をものにした。このアルバムはそうしたひとつで、彼の18番のチューンがラインナップしており、しかもライブのよさも加わり、快演を披露している。中でも Waltz for Debby 、Nardis、Time Remembered などエヴァンスらしさが十二分に発揮されている。70年代に入ってややマンネリ化したゴメスとの関係もここでは見られず、文字通り60年代の掉尾を飾る快作だといえよう。
60年代の掉尾を飾る快作
★★★★★
60年代のエヴァンスはスコット・ラファロ、ポール・モチアンとのインタープレイを完成させピアノトリオの革新的フォーマットを築き上げたが、その蜜月もラファロの死で淡くも露と消えた。その後もエヴァンスのインタープレイの探求は続いたが、メンバーや構成も猫の目ように変わり、ラファロとの興奮は再現できなかったといえよう。しかしエディ・ゴメスとのコラボレーションは高水準で安定したプレイを約束し、70年代にはいってからも数々の傑作をものにした。このアルバムはそうしたひとつで、彼の18番のチューンがラインナップしており、しかもライブのよさも加わり、快演を披露している。中でも Waltz for Debby 、Nardis、Time Remembered などエヴァンスらしさが十二分に発揮されている。70年代に入ってややマンネリ化したゴメスとの関係もここでは見られず、文字通り60年代の掉尾を飾る快作だといえよう。