リリカルなEvansも勿論良いですが、アップテンポに
弾きまくるEvansの格好良さも、Jeremy Steigとの
競演で実証済み。火花が散る位の好敵手を得たときの
Evansの燃えようは尋常じゃありません。Undercurrent
のJimm Hallも良い例です。この盤は通常のThird Trioですが
、MorellもGomezも飛ばしに飛ばしてEvansを煽ります。
よしとばかりにEvansもフリーと見紛うばかりのピアノさばき。
Gomezのソロと化したAutumn Leavesが聴きもの。
練れた三位一体を見せる前の、過激に疾走するThird Trioの
魅力溢れる好盤です。

緻密なメロディーが持ち味であるビルエバンスの作品の中でこれほど勢いで演奏したものはない。どこか音がおかしいと感じつつも、これほどスピード感あふれるアグレッシブな演奏にのめりこむのはエディゴメスやマーティーモレルのノリや気持ちがエバンスのインスピレーションを刺激している証拠なのだ。落ち着いたビルエバンスもいいが僕はこのハイなエバンスが一番好きである。一般的にほとんど評価されていないところもイイ！

1969年、コペンハーゲン、モンマルトルでのライブです。メンバーはビルの他、エディ・ゴメス＋マーティ・モレル。何が良いかと言えば、演奏が純粋な悦びに満ちていること。そして彼らの出している音にフレンドリーなムードがあって優しい雰囲気でいっぱいなこと。神経質にもならず、深刻でもなく適度に繊細に音楽を楽しんで演奏していることが伝わってくる。そこが良いです。ビルエヴァンスと言えばちょっと憂いがあるところで人気がある訳ですが、ここでの演奏はそれよりも少しハッピーなムードで、いかにもライブコンサートらしく楽しく盛り上がるところ、そしてアルバム全部聴くと素敵なカタルシスを感じるところが素晴らしいと思います。