心に染み入るDanny Boy
★★★★★
壊れていたEvansが弾いていたと言われる始めの四曲。
僕にはKeithのMelody At Night With Youの様に聴こえ、
とても心が安らぎました。
落ち込んでいたアーティストの音色が、無理なく心に響くのでしょうか。
心の奥底に溜まった澱が、ゆっくり洗い流されて行きます。
6曲目からのShelly's Manne Holeの残りテイクも出来が良く、ゆったりした気持ち
になります。スタンダードがずらりと並んだ最後、EvansのTime Remembered
が効いています。
夜ゆっくり寛ぎたい時、SoloとTrioで70分たっぷり楽しめ、安らげます。
夜にじっくりと聞きましょう
★★★★★
他の方も書かれていますが、1-5がソロ、6からは"At Shelly's Manne-Hole"に収録できなかった演奏です。
スコットラファロの死という影響は、色濃く落としているが、それを知らなくても耽美的である。
"At Shelly's Manne-Hole"もぜひ聞いて欲しい。
夜に一人でじっくり聞かれると、心にジワッと効いてきます。
男なら BILL EVANSか、、、
★★★★★
昔、評論家の方が、「BILL EVANSの曲を全て集めるのが男のロマンなり。」とか何とか書いているのを見て、若かりし自分は、それなら俺は BUD POWELLでと思ったものですが。。。
今はその評論家の方に賛成です。
いやいや、BUD POWELLより BILL EVANSがという話ではなくて、その評論家の書いていた「男のロマンなり」の意味が少しは解ってきたような。。。。つもり。
Waltz for Debbyばかりが、BILL EVANS ではないと。
悲しみのソロと、落ち着いたトリオ。しんみりくる1枚
★★★★★
ラファロの死という先入観なしに聴くつもりだったが、やっぱりダメだ。ダニーボーイの、最初の和音から悲しく響く。
すっかり肩を落としたまま、ピアノに向かうエヴァンスの姿が浮かぶ。
3. 4.あたりは、指のもつれが目立つイージーな演奏だから、聴いていて痛々しくなる。
このままライブに移るのはちょっと・・・という雰囲気なのだが、5.がうまく繋ぎの役割を果たしていて、アルバムとしてうまい部分だと思う。
6.以降は、シェリーズ・マンホールでのライブ。こちらはAt Shelly's Manne-Holeに収録できなかったもの。
全体的には感情控えめなクールな演奏だが、12.までだんだんと盛り上がるから、アルバム通して少しずつ元気になっていく感じがする。
最後のTime Rememberedが、ライブの余韻を味わう感じでまたいい。
静かな雨の日に一人で聴きたい1枚。
ビル・エヴァンスの個性と魅力が詰まっています
★★★★★
愛聴盤というのは気分によって変わるわけですが、仕事に疲れた深夜に聴きたくなるのは、このビル・エヴァンスの『Time Remembered』です。特に1曲目の「DANNY BOY」は素晴らしい演奏で、いつ聴いても癒されます。10分以上続くエヴァンスの心象風景を奏でるようなピアノ・ソロは変奏に次ぐ変奏となるわけですが、かくも美しく、感傷にふけることなく、深い感動をピアノだけでもたらしています。この曲は音楽のジャンルを越えて万人に愛されるものだと確信するものです。「ロンドンデリー・エアー」のタイトルでも有名なアイルランド民謡ですが「戦いのために家を出ていってしまった息子をしのぶ」という内容が歌われています。この曲の持つ暖かさと寂しさはそこから由来しており、彼のピアノ表現もそれを感じさせるものでした。
1曲目から5曲目にかけては、1950年代から60年代にかけてのビル・エヴァンスのソロ・プレイを集めたもので、トリオの演奏とはまた別の内省的なビル・エヴァンスがたっぷりと聴くことが出来ます。当時エヴァンスが気に入らなかったという理由でお蔵入りになった演奏だというのが信じられないくらい魅力的な演奏が詰まっています。
6曲目から13曲目は、1963年に収録されたリヴァーサイド・レーベル最後の録音「Shelly's Mann-Hole」でのライヴ演奏の内、未収録だった8曲を集めています。ライヴ特有の臨場感と緊張感が伝わる演奏で、これまたお蔵入りだったというのが理解できません。彼の特異な美意識に貫かれたピアノ・スタイルは、色あせることなく、今も多くのジャズ・ファンに愛されています。特にその詩的情緒あふれるリリシズムは魅力的で、他のジャズ・ミュージシャンでは聴くことの出来ない繊細さに満ち溢れているのがよく分かります。