内容が余りないなァ…。
★★★☆☆
中原さんの作品はまだ余り読んではいないのですが、作品によってその良し悪しに随分バラつきがあるような…。 この作品は余り内容がありませんでしたね。不必要なHシーンが多かった。心理描写も余り重要視されていなかったみたいで…。榎田が芦澤に惹かれていく様子が些か強引。ストーリー自体は悪いとは思いませんでしたが、やはりもう一つ心理描写を軽視した為、納得感が薄かったですね。勿論、どんな作家さんにも傑作もあれば駄作もあるのは当たり前なのですが、中原さんという作家さんの評判を聞いていただけにちょっと期待はずれの感は否めませんでした。以前に読んだ作品は結構面白かったのですが…。私は余り相手の人間性や気持ちを無視したHシーンは苦手というか、はっきり言って嫌いです。だからSM物や鬼畜物も大嫌い。これは好みの問題なので、人それぞれだと思いますが。それと強引な話運びというのも違和感を感じてしまって…。内容に精神性の感じられない作品も…。もう少しこの作家さんの作品に対する姿勢を、その作品群から見極めてみたいと思います。
イラストの小山田あみさんの画は綺麗だった。画にも品格があったし…。イラストって結構大切だと思うんですよね。視覚効果によって作品のランクまで多少の上下に影響を与えてしまうようなところがあって…。私はやはり品格を感じさせる画が好きだなァ。小山田さんは結構お気に入りになりそうです。
芦沢がかっこいい
★★★★☆
中原一也さんは攻めを魅力的に描かれる方で、芦沢がかっこいいです。スーツと煙草とコロンの匂いが似合う大人の男の魅力を漂わせていて、うっとりします。
芦沢の背中に彫られた刺青を使ったプレイがあるのですが、攻めの身体がこれほどまでに官能的に描かれることはなかなかないのではないでしょうか。
極道ものと言っても…
★★★★☆
30過ぎのヤクザの芦澤と29のテーラー榎田のお話。どちらも年齢よりは若めな印象を受けました。でも、さすが中原さん!オヤジを書かせたら右に出る者はいないのでは?芦澤がいい味出してます。人生の裏と表を知って、虚しさを感じながらもうまく生きている芦澤と、芦澤につっかかり、結局いいように扱われている榎田という感じでしょうか。ヤクザものですが、テンポは明るい感じ。ドロドロしてません。小道具使ったあたりはヤクザっぽかったのかな?
ただ、展開が早い!テンポがいいのは良いことなのだけれど、あれよあれよという間に読み終わってしまいました。もう少し心理描写を掘り下げて書いて欲しかった…
軽く読める一冊です。