加藤和彦とアルフィーの坂崎幸之助による新人(?)ユニット"和幸(かずこう)"のデビュー作にしてゴールデン・ヒッツ集。サイモン&ガーファンクル風のフォーク・ロック仕立ての「生命(いのち)」「サタデイナイト ムービー」、バート・バカラック調のメロウな「Sensored Mail」、初期ビートルズを彷彿とさせる「バラバラふたり」、サイケデリック・ロックの「モノリス」、坂本九の名唱で知られる「見上げてごらん夜の星を」etcと、全編にわたって60年代へのオマージュに満ちた仕上がりだ。加えて、ふたりのハーモニーの心地よさ、卓越したギター演奏も聴きどころ。60年代が青春だったオヤジ世代には懐かしく、当時を知らない若い世代には新鮮……そんなムードを楽しみながら、ベテラン同士ならではの匠の味を噛みしめたい。(木村ユタカ)
NHK小野文恵アナもびっくり!
★★★★★
遅ればせながら、2008年2月15日の"和幸"ユニットのNHKでのスタジオ・ライブを観て、感激して急いで手に入れたCD。タワレコには1枚だけ売れ残っていた。残り物には福があるというじゃないか、こんちくしょう。このユニットを取り上げたNHKもエラいが、このCDにはあらためて感激、感涙もの。この60〜70年代のロック魂を反映したパロディー精神がわかる人は、すごい、わからない人はどうしようもないが、わかって欲しい。
S&Gの雰囲気、Beatlesの思惑、「和」と「幸」の生き様、となりのオッサンの人生模様がほとばしり出るこのギター・テクニックと腹の底からしぼり出す口先だけのこれ見よがしの歌唱力、そんじょそこいらのスタジオ・ミュージシャンが、ごめんなさい、と尻尾を巻いて逃げていく様が目に見える。
69年にイギリスでデビューしていながら、今までタイムマシンに乗って、虹の彼方に消えていたとは到底思わせない充実振りである。あのWoodstickでの満員札止めライブパフォーマンスが無事収録されているのがファンにとってはこれまた懐かしくもあり嬉しくもあり(???)。
やはり・・・。
★★★☆☆
新しくもあり?懐かしくもあり、坂崎さんと組んでもやはり加藤和彦さんの世界ドップリです。スマスマで見た「帰って来た酔っぱらい」みたいなフィーリングを期待してたのですが・・・。黄昏ビギンはほっとしました。気になる方はレンタルで借りて聞いてみられてからでも・・・。悪くはないので。
タイトルは無視して
★★★☆☆
「ゴールデン・ヒッツ」というタイトルなので、昔のフォークのカバーと思いきや、カバー曲は3曲。John Kazukoh(加藤和彦)とPaul Kazukoh(坂崎幸之助)がKAZUKOH名義で作ったオリジナル。作詞にはザ・フォーク・クルセダーズのきたやまおさむも2曲参加(1.&12.)、「あの素晴しい愛をもう一度」を小品化したような「生命」、ザ・ビー・ジーズの「マサチューセッツ」を思わせる「Her Hometown」、ザ・ビートルズの「I Am The Walrus」、「Hello Goodbye」などを取り入れたと思われる「ナニモナイ」、インスト「無貪」など、遊び心たっぷりのアルバム。