科学の夜明けの時代の人々
★★★☆☆
デカルトとガリレオ、当時を代表する二人の生き様の違い。そして周辺の名立たる著名人達の動向。それらがさらりと読み流せる内容になっており、当時の欧州の社会情勢に触れる入門書としてもとても面白いと思う。科学の夜明けの時代を生きた人々が、宗教界にも激震の走った当時の社会情勢に対してどう向き合おうとしていたか。言論や思想の自由を考えると、今の時代も危険な方向に逆戻りしてやしないかと考えてしまう。
暗号手稿というキーワードがなければこの本を手に取っていなかったろうと思うから、それは著者が読者を掴む作戦としては成功したんだろうと思う。
「暗号手稿」は必ずしもメインテーマではありません
★★★☆☆
物語のはじまりは1676年のパリ、かのルネ・デカルトの友人であり、彼の著作の編集者でも
あったクロード・クレルスリエのもとをひとりの男が訪れる。その男の目的はデカルトの秘蔵
文書を閲覧し書写すること。そうして開かれたテクストに並ぶのは謎の暗号、「その中には、
記号、図、数式など意味のあるものは一つもない」――
はずだった。ところがこの秘密文書、デカルトがあのレオンハルト・オイラーに先立って
位相幾何学を基礎づけていたことを確証する、実は偉大なる達成を隠し持つものであった。
ところで。クレルスリエを訪問したこの男、その場で暗号の謎明かしさえしてしまったよう
なのだが、その名をゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニツという。
デカルトとライプニツ、世界史の頂に君臨するふたりの天才をめぐる物語を期待して手に
取ったわけだが、あいにくながら、そのような類のテクストではなかった。
この書の大半を占めるのはデカルトの伝記、確かに昨今の研究成果を取り入れてはいるが、
話の筋は概ねあまりによく知られたもので、正味これといって新しさはない。
逆に言えば、極めてオーソドックスなデカルト伝。
軽やかに読めて、はじめてのデカルト、としては悪くはない一冊。
ただし、それ相応に彼を知る者にとってはつらいところがある。例えば「F・R・C」と
いかにも意味深にもったいぶられても、そんなの分かるし、と鼻白んでしまうわけで。
言葉遣いも若干慎重さを欠いていて、いかにも部外者の書いた一冊、デカルトをある程度
専門的に扱う人には薦められない。
食いついて読んでます!
★★★★★
元々ライプニッツのファンでしたが、この本ではデカルトとの絡みが紹介されており
もう、読むしかないって感じです!
他にもティコ・ブラーエ、ヨハネス・ケプラーも登場してくるのでこれはもう涎もの。
まだまだ、錬金術にカバラ、薔薇十字団、コペルニクス、ガリレオも出てきます。
面白い!17世紀....
ラストは... そうかぁ... ●●●●の●●かぁ〜....
そうかぁ.... あの時代に既に発見されていたとは!!!!
科学思想史
★★★★☆
原題はDescartes's Secret Notebook。副題はA True Tale of Mathematics, Mysticism, and the Quest to Understand the Universeです。
出版社が付けた扇情的な題と書評は、著者の趣旨とずれたものです。
デカルトは科学史に残る画期的な発見をなぜ秘密にしなければならなかったのか、ライプニッツはなぜ必死にデカルトの秘密のノートを探し解読しようとしたのかという問いを手がかりに、普遍的な真実を求めようとする科学者の生き様を読むことができます。
下手なデカルト入門書より…
★★★★★
巷に溢れている下手なデカルト入門書よりもこちらの方が断然理解できる。
理解については人それぞれであるが、これからデカルトを学ぼう、知ろうとしている人にとっては無難にしかも面白く入れる本だと思う。