リリウオカラーニ女王に至るハワイ王朝末期の王たちや、女王の白人支配との戦いは感動的な事実。
しかし小説として読むには面白みに欠けるし、どこが事実でどこが虚偽かの区別がつかないので情報としては役に立たない。
リリウオカラーニやハワイ王朝について初めて読む方には得るものが多いと思いますが、基礎知識があって「もっとハワイ王朝について知りたい!」という人が読んだらがっかりすると思います。
ハワイ王朝を守るためにたどった、リリウォカラーニ女王の壮絶な運命。そして終わりをとげるハワイ王朝。
ハワイが好きな人はたくさんいると思います。でも、こんなに悲しい歴史をたどったとは、どれくらいの人が知っているのでしょうか?楽しい南国のイメージしかなかったハワイに対して、新たに考えさせられる一冊となりました。
オアフ島にあるビショップミュージアムに行った際、ハワイがアメリカに併合されていく歴史についてほとんど展示物がなく、どんな歴史があったのか知りたいと思っていた時に、この本と出会いました。
おりしもアメリカはイラクを「平和維持のために」攻撃する準備を進めていて、おそらく筆者の意図を超えた形で、タイムリーな本になっています。