そういうことだったのか?
★★★★★
ちょっと高いかなと躊躇したけど、日本経団連の奥田会長の推薦文に引かれて買ってよかった。読んでみると、日本、アジア、そして世界をどう理解すればよいのかが非常に分かり易く書かれていて、得した気分になった。筆者の外交現場での知見と大学での学問的研究の交錯が随所に感じられ、現代の日本を取り巻く東アジアの動きの本質に迫る分析と論考はなかなかのもの。特に中国論は歴史から解きほぐしており、「そうだったのか」と頷くところが多くて面白かった。経済に偏りがちな東アジア共同体論を政治、安保、文化といった多面的視点から掘り下げつつも非常に読み易く、こんな本が教科書なら眠くならずに読めますね。大学生、特に就職前の学生にお勧めの一冊です。