Out-Of-Towners
価格: ¥1,556
ベーシストのゲイリー・ピーコック、ドラマーのジャック・ディジョネットから成るキース・ジャレットの“スタンダーズ・トリオ”は、これほど長きにわたって活動してきただけあってもうそれが当たり前のようにも感じられるが、この2001年のミュンヘンのオペラハウスでのショウでは、彼らのコンビネーションの深みと自然さにあらためて驚かされる。ジャレットには、なじみのあるレパートリーで自らの歩みを明らかにするという才覚がある。生き生きとした遊び心ある「I Can't Believe That You're in Love with Me』(邦題「アイ・キャント・ビリーヴ・ザット・ユーアー・イン・ラヴ・ウィズ・ミー」)をこのセットのオープニングとして、内省的なソロ・バージョンの「It's All in the Game」(「イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム」)でしめくくる。その間では、このグループのよくまとまった相互作用が、落ち着いた美しさのあるバージョンの「You've Changed」(ユーヴ・チェンジド)、コール・ポーターの「I Love You」(邦題「アイ・ラヴ・ユー」)のアップテンポでハーモニックな探索、ジェリー・マリガンの「Five Brothers」(邦題「ファイヴ・ブラザーズ」)のハードスイング版を引き立たせている。しかし、ハイライトはやはりタイトル曲で、ファンキーな20分間の名演がこのブルースを根っこから枝先まで掘り下げている。(Stuart Broomer, Amazon.com)