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キャッチ=22 上 (ハヤカワ文庫 NV 133)

価格: ¥861
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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戦争文学の傑作というよりはアメリカ文学の傑作!! ★★★★★
素材は戦争です。しかし、これを戦争文学というカテゴリーに入れて良いかどうか?
とにかく、面白いんですね。
読んでいて、笑ってしまうくらい面白い。
そして哀感がある。
これって、戦争なんでしょうか?
決定的に僕たちが抜けてこの本を読んでいる前提に、戦争という地獄を経験していない!!
その点につきると思います。
その戦争を経験していない人間が、戦争文学を読む意義は、一つには戦争という地獄の語り部から、
戦争の悲惨さを学ぶということですが、例えば大岡正平さんの「野火」をどんなに読んでも、
彼自身の経験に勝るものはない。言葉にできえない。
もし、戦争を経験した人間がこの本を読んだ時、どんな感想を持つか、ぜひ訊いてみたいです。
すると、この本は、僕たちにとっては戦争文学の傑作とは言えない、
アメリカ文学の傑作と言えると思います。
とにかく、本当に多くの人に読んでほしい傑作文学ですが、あまり、知られてないのも事実ですね。
本当の傑作 ★★★★★
よくもここまでの不条理と登場人物のキャラクター設定をなしえたものだと思う。
時間軸の混乱は読みにくいという意見もあるだろうが、むしろ読者をいろいろなところに、ベストのタイミングで連れてゆく作者の仕掛けともいえる。
上巻はとにかく面白く、非常に良質のコメディ映画を見ているような気にさせられる。しかし、終盤に向かっての展開を読み進むうちに、この作品が不滅の文学作品だという評価を得た理由がよく理解できる。
本当にベストの作品。手放したくない。
This is アメリカ ★★★★★
 突拍子もない風刺の効いた内容で、肯定と否定とを意図して混合させた文章で、語呂が合った単語使いで、ヨッサリアンはアッシリアンですよ。ってお前、アッシリア人会うたことあんのんかい!
 ヨッサリアンの逃避も、マイローの経済学も、ホワイト・ハルフォード酋長の石油も、−・ド・カヴァリーの威厳も、顔の上のヒュープルの猫も、みんな元気です。訳文がすばらしくヘラー自身が元気なのが窺えます。そして元気な極端さこそが喜劇の基調となっています。ライム色のパンティやら蹄鉄やらゆで卵やら透明の眼帯やらの玩物志向というか、物へのこだわりが調子を上げます。食欲でも性欲でも過剰だと露出することは通常恥ずかしいものですが、ここではガルガンチュアと同質のわくわくするような楽しさです。
 ですが、やがてある一点で陰性に転調します。いろいろなもの・人に取り残されます。それが嫌さにいろんな場所へ行きますが、やっぱり取り残されたままです。そこに、あまり似合わないのですが、そしてその似合わなさをあえて隠そうともしないのですがヨッサリアンの人間愛が現れます。ナイーヴで、センチメンタルで、だからこそ長続きしない断片的かつ純感性の人間愛なのですが、その刹那性も取り残されたヨッサリアンに似つかわしい。もちろんこの人間愛あってこその反戦小説ですし、戦争は嫌だ、という太い核心に至るのですが、これはアメリカ合衆国だな、と納得してしまいました。人がよくて底抜けに明るくて見知らぬ旅人にも親切だったアメリカ旅行を、映画『マッシュ』と同様に、不思議に懐かしく思い起こさせてくれます。
 逃げ回った末にオアという奇蹟へ従軍牧師に導かれて、ヨッサリアンは『前方への逃避』というテーゼに至り、元気よく跳んで出て行くことが出来ました。彼の出て行ったあとのドアが開きっぱなしで、そこから陽光がまぶしく、新鮮な風が入ってきます。最後まで、徹頭徹尾、私の好きだったアメリカです。
名作です! ★★★★★
「理不尽なこと」の代名詞にまでなったタイトル。
イタリアに実在するが、設定的には架空のピアノーサ島。ここにあるアメリカ軍基地を舞台にした、第二次世界大戦末期の狂気と不条理の物語。
おおまかな内容は知識としては知っていましたが、ずっと機会がなく、最近やっと通して読みました。

正直な感想を言えば、特に上巻の訳文は私には読みにくかったです。原文をちゃんと見ていないので推測ですが、おそらく訳者は原文のニュアンスをなるべく正確に伝えようとしたのだとは思います。
が、例えば「ダニーカ軍医は徹底的に異常な数多くのものをよく知っていた」などという文章が、すんなり頭に入らないのも事実です。
その上、上巻では時間軸が交錯し、話があっちこっちへ飛ぶので、読むのにそれなりの努力が要りました。

しかし上巻の最後のほう、マイローの正体が分かるあたりから、物語の全体像が見えてきます。まだるっこしい訳文にも慣れてきて、下巻に入ると、今度は面白くて止まらなくなりました。
上巻ではこんがらがっていた話のすじが、謎解きのようにするすると理解できます。そしてこれこそが作者の仕組んだトリックだったのだと気づかされました。

それでも腑に落ちない人は、上巻の巻末に訳者が時間軸に沿ったあらすじを添付しているので、それを先に読んだらよいと思います。(かなりネタバレです。お勧めはしません)

翻訳ものを読みなれていない人にはお勧めしません。読みやすい文章でないと駄目、という人にも向かないと思います。が、軽い読み物には飽き飽きしているという方、ぜひ作者に引きずり回されてください。
金字塔、名作の名にふさわしい本です。

最高!!! ★★★★★
人類が月に降り立つ1969.7.20.私はこの本を読み終えた。
中学1年。林間学校の前日。以来この本に勝る作品に出会っていない。
英語では慣用句として定着してるという「キャッチ22」というシステム。
月並みだが「戦争という狂気」に対抗できるのは、
グロテスクで不条理なギャグでのみありうると実感する作品。

星新一(あれだけ一世風靡したのに今は・・・)が
「この作品が書ければ死んでも良い」と発言したのもうなづけるかも。
ちなみに映画化はアラン・アーキン、アート・ガーファンクル、
ジョン・ボイト、バック・ヘンリーなどの有名俳優が出演、
マイク・ニコルズが監督したにもかかわらず駄作に終わったのは
原作の大きさ故か?唯一、B25がかっこよいね

(戦争オタクではありませんが)