文学に精通しているわけではないので…
★★★★★
初心者のレビューだと思って読んでいただければ幸いです。
ヴェニスの商人と言えば
『きっかり一ポンド、それより多くても少なくてもいけないし、血は一滴も流すな』
が有名だと思います。
この台詞、実は主人公(なのであろう)アントーニオを助けるための台詞なのです。
この台詞が主人公のものでないのに有名なことからも分かるとおり、
この話は主人公を中心に回るが、活躍するのは主人公ではないと言った、一風変わったお話です。
おそらく、ヴェニスの商人の主人公役をやる俳優はむしろ彼のライバルであるシャイロックのほうをやりたいと思うでしょう。
さて、ところでこの翻訳版、1ページの4分の3程が本文で、4分の1が翻訳する際に気をつけたこと、日本語に直すと分からないところの注釈となっています。
これは私のような英文学初心者(というか文学初心者)にはとてもありがたく、ここでこの単語で韻を踏んでいるのか、などがとても分かりやすくなっています。
さらに翻訳者自身が、言葉、文化の違いで本来なら分かりにくい洒落も、日本人でも同じような感覚で捉えられる洒落を充ててくれ(もちろん注釈付き)
と本の文章の翻訳ではなく、本の中身の翻訳といった感じがとてもよく、とても気に入った翻訳者になりました。
なお、本の内容的に性的な表現が多々あるので、あまり小さい人には理解できないかもしれません。