確かな目を持つための本
★★★★★
情報収集の方法やまとめ方、特にフィールドワークの方法は平易に書いてあるが、エッセンスがつまっている。なんだ、簡単やんか、と思って読み飛ばすと大損する。この情報社会で、マスコミや権力側のいうことをそのまま信じるのではなく、市民自身の目と力を取り戻すための本。
インタビューの成否は十分な準備と気合い
★★★☆☆
社会的に関心のある話題を調べてみるときにどうしたらよいか?
本書は、社会調査において、インタビューや取りまとめの際の
コツを紹介しています。
仕事で営業前調査や業界研究などを手掛ける私にとって、以下の
点が役に立ちました。特に、インタビュー前の準備ですね。
・インタビュー:十分な準備をし、その場ではメモを取ろう。
成否は十分な準備と気合いとのこと。「成否は、聞く側がその
ことをあらかじめどのくらい知っているか」、「相手のことを
理解しようとする熱意をもっているかどうか」によるから。
いつでも再確認したいことです。
メモは、記録として残すためだけでなく、頭を整理するために
も活用できます。
・構成:全体の情報から、自分の言葉で作り出す、としかない。
確かに、数ある情報から帰納的に構成する場合は、時間を置き
熟成する必要がありますから。
古典的で時間のかかる調査法 ?!
★★★☆☆
プロではなく一般の市民むけに,文献やフィールドワークなどの調査の方法を書いている.図書館の文献,新聞などのデータベース,フィールドワークなどの調査法を紹介し,KJ 法をつかったまとめかたを紹介している.
資料の検索のためにインターネットをつかってはいるが,インターネット上の資料を Google などで検索してつかうという方法には (だれでもやっているから紹介する必要がないということなのか) わずかしかふれていない.この本で紹介されている方法はむしろプロ向けのものであり,一般市民がかぎられた時間で調査をおこなうにはやはりインターネットがもっとも便利だとおもえる.その意味でこの本よりは 佐々木 俊尚 の「3 時間で「専門家」になる私の方法」に軍配をあげたい.
市民が、社会人が情報を活用し発信する時代のために
★★★★★
自分を取り巻く状況に対して、ただ嘆き悲しむだけでなく、論理無く他人の責任を転化し存在しない「安全圏」に逃げ込むのではなく、生活者としての市民が社会に働きかけるために、そんな志を感じる一冊です。
本書は、技術論に偏ることなく、学術書の二番煎じになることも無く、実践的な「そもそも市民が調査すること」の意味から読者に語りかける。
各種の図書館の利用方法から始まり、インターネットの利用方法は勿論であるが、ごく身近な自分を取り巻く状況に対応した「フィールドワーク」の実践指南と、「まとめかたとプレゼンテーション」までがこの一冊にまとめられている。
著者の市民への期待が、本書を心地良いものにしている。
1億総ジャーナリストの時代に
★★★☆☆
どんな企業の戦略を立てるうえでも、
自身のキャリアの戦略を立てるうえでも、
合コンで女の子をどうすればうまく落とせるか考える場合でも、
まず最初にやるべきは環境分析(外部・内部)です。
社会は日々複雑さを増しています。
信頼出来るものは少なくなり、一方情報は与えられ、
自身で物事を選択・決めるシーンは増えてきています。
何が良くて、何が悪いのか。
専門家でなくても、ちょっとした調査技術さえあれば、
いろいろな事が見えてくる。そのための調査の技術を
本書は教えてくれます。
今は何か調べると言えば、すぐにインターネットが使えます。
事実本書でもネットを活用した調査方法もあげられています。
加えて、どういったサイトが有益なのかも紹介されています。
文書化、データ化されていない情報に当たる方法、
フィールドワークの方法についても触れられております。
普通に生活していると、ただ、与えられる情報のみから、
物事判断してしまいがちですが、今はちょっとした努力で
情報が手に入る時代です。
ビジネス分野での調査に即役立つわけではないですが、
自身のライフワークとして、社会をこうしたいと言ったような
思いがある方には役立つと思います。
もちろん、大学生の論文作成にも役立つでしょう。