2003年4月21日、ニーナ・シモンはフランスのマルセイユ郊外で亡くなった。70歳。シモンという芸名はフランスの女優シモーレ・シニョレにあやかったもの。フランスで亡くなったのもなにかの縁なのだろう。ニーナといえば個人的に忘れられないのは、92年6月27日のカーネギー・ホール・コンサート。とにかく会場の雰囲気が異様で、アンコールを求める拍手は地鳴りがしていた。あれほど熱狂的なコンサートは、あれ以前もあれ以後も経験したことがない。それはともかく、68年に録音した本作はニーナを偲ぶには恰好の作品だ。なぜなら、もっともシンプルな編成であるピアノの弾き語り集だからだ。ニーナはクラシック・ピアノの名手でもあり、本作ではそのユニークなヴォーカルとともに、ピアノの妙技もたっぷりと聴くことができる。「私の音楽にはジャズよりフォークやブルースの要素が多かった」と彼女は自伝に記しているが、ここに聴かれる素朴で力強い歌声はジャンルを超越した魂の叫びであり、聴く者を感動させずにはおかない。合掌。(市川正二)
ニーナ・シモン 最高傑作
★★★★★
「最高傑作」という謳い文句だが、当初は歌声とピアノしか聞こえてこない作りに、ポップスを中心に聴いてきた耳はなじめませんでした。しかし、評判に偽りがないと気づくのに時間はかからず、今や、この1枚に出会うために音楽を聴いてきたのではという惚れ込みよう。他の作品でボーカルのつぼを押えたことで、この作品への導入となってくれた1と2。続く3の後半で弦楽器のようにコードを爪弾く部分で「革命のエチュード」を彷彿。力強い4とともにショパンの難曲をもひきこなしたであろうクラッシクで培われた確かなピアノ演奏力に完全降伏。弾き語りというスタイルこそ彼女の本質といわれることにも納得。こうなってしまうと無防御な心に5-9と続くどれもはずせない名唱名演奏が洪水のように押し寄せ、"1/fゆらぎ"の法則が効いている10では思考が完全に停止して生きているかどうかすら分からない状態に。危険です。
ニーナ・シモン 最高傑作
★★★★★
「最高傑作」という謳い文句だが、当初は歌声とピアノしか聞こえてこない作りに、ポップスを中心に聴いてきた耳はなじめませんでした。しかし、評判に偽りがないと気づくのに時間はかからず、今や、この1枚に出会うために音楽を聴いてきたのではという惚れ込みよう。他の作品でボーカルのつぼを押えたことで、この作品への導入となってくれた1と2。続く3の後半で弦楽器のようにコードを爪弾く部分で「革命のエチュード」を彷彿。力強い4とともにショパンの難曲をもひきこなしたであろうクラッシクで培われた確かなピアノ演奏力に完全降伏。弾き語りというスタイルこそ彼女の本質といわれることにも納得。こうなってしまうと無防御な心に5-9と続くどれもはずせない名唱名演奏が洪水のように押し寄せ、"1/fゆらぎ"の法則が効いている10では思考が完全に停止して生きているかどうかすら分からない状態に。危険です。
ニーナファン必携アルバム
★★★★★
これこそがピュアなニーナ・シモンだ。ニーナは色々なタイプのアルバムを作っているけれど、これを聴くとかの女の音楽がゴスペルやブルースをルーツとしていることがよく分かる。伴奏はみずから弾くピアノだけというシンプルさ。だからこそ際立つかの女の個性。他のアルバムと比べてたしかにジャズっぽさは後退しているが、このナチュラルな表現は味わい深く、聴き飽きることがない。それほどの重厚さも迫力もないのに、気軽に聴き流すことはとうていできない。つい聴き入ってしまうのだ。ニーナはいいアルバムを遺してくれた。
最高!!
★★★★☆
なんだか、晴れた日にドライブしながら聞くのが最高な逸品。そうでなくても、家でゆっくりコーヒー飲みながら聞くのも好きです。ボーカルとピアノのバランスが素晴らしい!皆が知らないのが不思議なくらい、アルバムの仕上がりは最高です。