【絵本画家は２つに大別できる。内田麟太郎と組んだことがある人とそれ以外で】

などと書きたくなるほど、内田さんは多くの画家と仕事をしている。
そんな中でも　山本孝との作品は絶妙だ。お互いがお互いの持ち味を生かしあって
いるように感じられるのだ。２人による日本の年中行事を描いたシリーズも
７作目に至り、コンビの作風もしっかりと定着した。

特に今回は、絵本業界人もチョロっと登場しているし、右目の下にホクロのある女性は
「ねがえぼし　かなえぼし」にも登場した女の子を彷彿させるものがある。
そんなところにも彼らの余裕が見て取れるし、《ウチヤマコンビ》がますます強固な
ものになっていると言えるでしょう。

今回の作品は、神無月に全国の神様たちが出雲大社へ集まるというシンプルな構成。
ただし、馬に乗るものもいれば、歩いたり、船にのったり、空を飛んだりと移動
手段もいろいろあり、ルートも田舎を通ったり、都会へ出たりと楽しめる工夫が
随所にされている。途中のエピソードもうまくラストに結びついて大拍手！

次はどんなものが出るのでしょうか？　個人的には「仮面の忍者赤影」のような
かっこいい話しを期待したい（笑）