やさしく書いてありながら本質をついている
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金属疲労を勉強する入門書として良書です。専門的な知識がなくても読めるやさしい書き方をしています。それでいながら疲労を専門的に勉強した人はともかくも、機械工学を専攻して金属疲労を学んだことはあるという程度であれば結構目からうろこのところが多くあると思います。たとえば、疲労き裂が見つかったときにき裂先端付近にドリルで穴を開けるストップホールという手法、「応力集中を緩和する」という理論で有効だとされてきましたが、本当か否か説明できますか?この説明を自信を持って出来る人はこの本を読む必要はないでしょう。金属疲労の原因が、本質的にはすべり・転位であることが丁寧に解りやすくとかれています。