『ゲロッパ!』の井筒和幸監督が、若者たちの恋と喧嘩を軸に、日本と朝鮮の深い溝とそれを乗り越える前向きな力を問う屈指の傑作青春映画。1968年の京都、高校2年の康介(塩谷瞬)はかねがね敵対する朝鮮高校に親善サッカー試合の交渉をするはめに。しかし訪れた朝鮮高校で彼は、音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目ぼれし、彼女と仲良くなりたい一心で、『イムジン河』の歌をギターで覚えるが……。
ベースは国籍の違いによる日本版『ロミオとジュリエット』だが、その実二国間のさまざまな世代が織り成すエネルギッシュな群集劇として見事に屹立。また深刻な問題に真正面から取り組みつつも、あくまでもにぎやかでコミカルに進むテイストからは、井筒監督ならではの人間讃歌がうかがえよう。娯楽を機軸に、観る者の意識を啓蒙させ向上させえる、これぞ真のエンタテインメントと断言したい。なおパッチギとはハングル語で“頭突き”のこと。“突き破る”“乗り越える”という意味もある。(増當竜也)
人それぞれ
★☆☆☆☆
自国(日本)を否定される表現が感じられて不快感をもちました。
韓国で同じような映画(韓国が悪いよと思わせるような映画)を作製された場合どうなるか、、、と思います。
映画はドキュメンタリーとは違い、娯楽と思っているのでどちらかに偏ったような話は楽しめません。
この映画を見て、仲良くやろうよと思わせる気にはなれなくなりますね。
歴史の真実はわかりません(後世に語られるものが真実とは限らない)が、
どの国とも仲良くなれるような物語を作成して欲しいものです。
感動の一編!重いテーマを背景にした爽やかな青春映画!すべては「イムジン河」から。
★★★★★
在日朝鮮人問題を背景にした、青春映画の傑作です!
期待通り、感動しました。
青春、恋愛、喧嘩、不良と、在日問題、当時の社会情勢、風俗、
さまざまな要素がうまく詰まっていますが、なんといっても、
「イムジン河」「悲しくてやりきれない」「あの素晴らしい愛をもう一度」
などザ・フォーク・クルセダーズの名曲なくしては、
本作品は誕生しなかったでしょう。
メンバーだった加藤和彦さんは、本作品の音楽も担当していて、
特にエンディングの「あの素晴らしい愛をもう一度」は、
本当にやさしい歌声と曲で泣けてきます。
本年10月の自殺が残念です。
日本と朝鮮の歴史、国会議事堂、生駒トンネルの逸話などについて、
何も知らないだろうと詰め寄られるシーンは身につまされます。
確かに学校の授業でもテレビでも殆ど取り上げられない。
(特に最近の事ほど)
「イムジン河」発売・放送の自粛の状況に迫られても、
かまわず、涙ながらに歌う主人公に泣けます。
また、喧嘩の暴力シーンが過激だったり、くだらない下ネタの連続も、
逆にリアルで、ただ、こぎれいに体裁を整えたようなものにはしたくない
という意思表示にも感じられます。
主演の塩谷瞬が、ちょっと天然で初々しくまっすぐで好演。
一見して誰かわからなかった当時の沢尻エリカも良かった。
(今ではまったく変わってしまった。)
挿入歌も歌っているオダギリジョーが、ほんわかした感じで
いい演技でした。さすがです。
そして、特典映像も面白い。
若い出演者たちが、演技に悩みながら成長していく様子が
記録されており、こちらのメイキングのほうも青春映画になっている!
塩谷瞬の川を渡るシーンや橋の上での慟哭の撮影風景も感動的です。
真木よう子の飛び蹴りのメイキングもあります!
パッチギ!
★★★★★
青春!
KoreanとJapaneseやけど
分かりあえる部分もある。
ただ単純に泣ける作品。
面白いの、これ?
★☆☆☆☆
すいません、自分には合いませんでした。
学芸会の様な演技、やたらゴチャゴチャした画面、演出。
メリハリのないストーリー。
監督は気持ちいいんだろうなぁ…。
[自腹]でガッカリ
日本と朝鮮の歴史を背景に、若さと熱さがパッチギ(頭突き)の如くはじけ飛ぶ
★★★☆☆
ご存知毒舌の井筒監督、この作品で新人賞を受賞した沢尻エリカ等が演じる。
日本の朝鮮支配、南北分裂という歴史を背景に、日本と朝鮮の高校生が対立し、
対立しながらも一部の高校生や人々は歴史を乗り越え協調していこうとする姿を描く。
協調しようとしながらも、まだ渡りきれない深い溝があることも同時に描き
歴史の重さを再認識させられる。
喧嘩や暴力、性的描写のシーンが多少過激なため
子供や女性向きではないかも知れないが、
その分登場人物の若さや熱さ、飾らない本音の人間臭さが感じられる、非常に熱い作品である。
ただ朝鮮人を良く知られる日本人俳優が演じているため、
朝鮮語は上手く出来ているとは思うが、歴史を語る際に深みが感じられないところが若干残念。