値段の割には・・・
★★★★☆
漫画を読んでいるというよりは、挿絵のかなり多いライトノベルを読んでいるという感じ。
面白いっちゃあ面白い。
ただこの値段出して読む価値あるかは人それぞれ。
目を瞑って石を投げるような
★★★★★
自分の分身に違和感を抱かない世界
疑いを持たない家族、それをオリジナルよりも慈しむ恋人
でもそれを赦せる私。
赦すことと締念は似ているようで違うのに同義語のような扱いに違和感を覚えます。
「私1人がいなくなったって何も変わらない」
己の身を省みない無気力さや、
自分だけを特別だと認めてほしいのに自分こそを愛してほしいのにそう主張出来ない弱さ、
それを誤摩化す為に「赦す」だなんて言って一番柔らかい部分が傷つかないように自衛する矮小さ。
こうした無気力さ、寛容と締念をはき違えた愚鈍さ、世界への興味の無さは
全て私たち現代日本人の多くが抱える悪癖だと思います。
赦すと言いながらなにもかもを諦めるのは
目を瞑って石を投げるようなもので、無差別で傲慢な暴力です。
自分への、自分の周りの人への。
この本から覚えるえもいわれぬ気持ち悪さは同族嫌悪
それは世界に目を向ける事で昇華出来たらいい。
「赦し」であって「癒し」ではない。
★★★★★
紹介文と絵柄のギャップに惹かれて初めて著者の本を手にしました。
丸い柔らかな絵柄、「赦し」と言う言葉に「癒し」を求めると痛い目に合います。癒してはくれません。
主人公は赦すことで全てを冷たく突き放しています。
読者は全てを赦す主人公の存在価値、赦すという意味について疑問を抱くと思います。
主人公の置かれる環境などが某カルト教団を彷彿させます。作品の世界は静かに狂っています。
1巻の最後に訪れる主人公の変化、今後の展開など気になります。