この人素晴らしいです。
★★★★★
この人素晴らしいです。
今日、テレビで
試合に負けた高校生に対し「成」が3文字だけ書かれた未完成の「成」と
言うたすきを見せて「成」は未完成だけど、残りは君たちが残りの人生をかけて
達成してくれ。人生は長い。けど今日のことは忘れないでくれ」
と監督さんがおっしゃってました。
「いいこと言う監督だな。どこのチームだろう?」と思ってたら、
案の定、滝川二高でした。
そしてそれは黒田和生前監督から引き継いだ栫裕保新監督でした。
うまくいかない時、負けた時にこそ人間や組織と言うのは真価が出ると思います。
「こういう言葉や姿勢は黒田さんから引き継いだものだなあ」と強く思いました。
僕が滝二サッカー部に注目し始めたのは、ある記事が原因です。
それは「滝二サッカー部の監督は100人近くいる部員と練習前に毎回握手する」
と言う記事でした。
これには「あれっ?」と思いました。
スポーツの強豪高校と言うのは、厳しいところが多く、むしろ「厳しくなければ勝てない」
と言われています。
(特に関西では)怒鳴ることはふつうにあり、殴るつける指導者も少なくありません。
高校野球のような世界では
監督>>>OB>>>>>3年>>>2年>>>1年
のようなヒエラルギーが公然と存在し、本来のスポーツとは関係がないところでの
力関係が存在します。
例えばビジネスの世界でよく言う「人材論」
人財>>人材>>人在>>人罪
と言うもの。このような理屈はアマチュアスポーツの世界でも
現実に存在していると思います。
では人在や人罪はどうすればいいのでしょうか?
サッカーなら100人部員がいても試合に出られるのは10人ちょっとです。
「補欠や1年生はいなくてもいいのか?辞めろと言うのか?死んだほうがいいのか?」
と言う答えがここにあります。スポーツは勝ち負けがはっきり出るシビアな世界です。
他の組織なら当たり前に人罪や人在だと言われかねない人に対し、
一人のリーダーが出した答えがここにあります。
サッカーでもそういうものが普通にあるだろうと思っていたので、「選手全員と握手する」
と言う姿勢に驚き感心しました。
勝つのは大切です。
しかも滝二は1984年創設ですからそれほど古い学校でもありません。
こういうケースでは周囲の圧力もあるし、
どうしても「勝つこと」が目的化してしまうものです。
しかし「勝つこと」と「個人の目的」、「スポーツの目的」をきちんと
併立できていることは素晴らしいです。
スポーツ指導者、スポーツに関わってる人、教育者、親だけでなく、
会社などで周囲とのコミュニケーションで悩む人や人生の目的が見出せない人は
ぜひ読むといいです。
彼のやり方が絶対的に正しいわけではないと思う(例えば国見の小峯さんのような
スパルタ的やり方もそれはそれでありだと思う)けど、
これは「人間関係の正解」の一例を示しています。
「勝つこと」と「愛されること」を両立できていると言うことは凄いです。
この人ほんと凄い人です。
普段は本を読まない人でも1度読む価値があります。
慕う選手の数なら一番の名監督
★★★★★
名監督の定義とは何か?彼よりも優秀な選手を多く送り出したり、大きな大会で成績を残した監督はいくらでも要るはず。だが、なぜ、彼がここまで名監督と言われるのか?そのわけは接する全ての選手に分け隔てなく目を配り、対応する平等さと視野の広さが素晴らしいからだ。サッカーを教えることに限らず彼のこの技術は全ての教育の場面で活かされることが多いので、応用できる場面は数多い。後に慕われる指導者の鏡、甘いだけの優しいコーチ・厳しいだけの鬼コーチ・普通の無難なコーチ、バランスが大事なのではなく本当は・・・読め(笑)彼を慕う選手の数の多さはおそらく業界ナンバーワン、それがどれだけすごいことなのか、読んだ後には納得できるはずです。
共に行こう。
★★★★☆
創立から23年間、滝川第二高で名将とよばれるまでに手腕を振い波戸、加地ら代表選手から朴康造、林丈統、金崎夢生ら名だたるJリーガーをピッチに送りだした著者によるサッカー選手育成論。著者独自の「誰もやった事がない」サッカー人生から地域に根ざしたサッカーの発展を追い求めていく。海外への合宿や、月一冊の読書の徹底や基本的なマナー、そして自信の学生時代の経験からベンチ外の選手にも積極的に目を配る等一筋縄ではいかない黒田氏ならではの指導論は「プロの選手を育てるのはプロの指導者」と語り、自ら学ぶ努力を怠らない著者だからこそ口にできるのかもしれない。いつも魅力的な黒田滝二が観れなくなったのは寂しいが、今後は神戸から優秀な人材が生まれ魅力的なサッカーを見せてくれる事に期待したい。