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波のうえの魔術師 (文春文庫)

価格: ¥530
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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現代日本の一断面を切り取る石田の作家としての力量に乾杯!! ★★★☆☆
いつもの石田作品らしく、特別な印象を残す訳ではないものの、現代日本の生活を描き出す読み物として大変面白いストーリー。
ごく普通の大学の文学部を卒業して、就職も出来ずにパチプロで食べていた白戸則道に、突然降ってわいた特殊金融ディーラーのアルバイト。日々その訓練を通して、これまで長い人生で培ってきたノウハウを彼に教え込む老人小塚泰造。しだいにディーラーの面白さにのめり込む白戸。そして、それは大手金融機関へのある復讐の始まりだった。
 現代日本のバブル崩壊の断面を切り取り、その中での人々の哀歓を上手に描き切り、かつ当時の経済情勢、社会状況を何気なくその背景として読者に伝えられる力は、その時代を共に生きた石田ならではの作品。
表現がいまいち ★★★★☆
・作品の当初から違和感があったのは、「おれ」「ジジイ」という単語の使い方をしており
 これが1ページの中に何度も出てくるため、ストーリーを軽薄に感じさせているように感じられます。
 「白戸」「小塚老人」という客観的な記載でも、主観的表現は可能だと思われます。

・この作品は脚本的な感覚で、読みやすい面はありますが、一言一言の表現、特に比喩表現は
 他の作家さんに比べて、言葉の選び方が雑な面が見受けられる作品だと感じました。
著者の筆力ならではの作品だと思います。 ★★★★☆
著者の文章の魅力が優った作品だと思います。株式市場を舞台にしたのは、さすがに良いところに目をつけたなと思わせられました。ただ、バブルという途方もないものの料理方法に迷ったのか、扱いが難しかったのか、最終的に無難な道を選んだのではないでしょうか。謎の老人のキャラ設定も不足感があります。これだけの大仕事をする人物にしては、背景が控えめすぎるように思われます。この作品を読んで強く抱いた感想は、80年代バブルというものの大きさです。銀行という最も信用を必要とする企業が詐欺師になってしまっていたわけで、その後遺症が日本経済に残されたままになっているようです。この物語の背景にも、老人を狙って資産を騙し取っていた銀行の手口が使われています。80年代バブルは、振り返ってみて、時代の変わり目であったようです。著者の主張がに語られていると思われる箇所が後半部分にあります。資産の運用を1%あげるだけで国家予算並みの収入が見込める。坂本龍馬、高杉晋作のような英雄も松下幸之助、本田宗一郎のような人たちも今の時代のモデルにはならない、時代が変わってしまった。金融の技術は成熟国に欠かせない。自分でリスクをとってマーケットに船出して欲しい。著者の変わらぬ若者に向けられた暖かな視線が感じられる作品でした。
読みやすい ★★★☆☆
石田衣良の作品はどれもすんなりと物語に入り込め、読み易い。
株の知識がわからないところもあったが、流れはとぎれず理解できた。
銀行は変額保険というものでしか、利益をだせなかったのであろうか。
プライベートバンキングが成立つような人材を育成し、プライベートバンク
で利益を出せるくらいにまでなってほしい。弱者ばかりを狙うのは
銀行のふがいなさを露呈しているようで見ていられない。
株式チャートの波 ★★★★☆
「波のうえの魔術師」というタイトルが絶妙で好きです。
乱高下する株価の流れは波で、伝説の相場師はまさに魔術師と呼ぶような人物で、
著者の言葉選びのセンスにやられました。

株に詳しくなくても、ここで失敗したんだな、ここで成功したんだな、
ここで何か大きな仕掛けをしたんだなぐらいはわかるので
読み進めるのに苦労はありませんでした。

老人が青年に何を仕込むのか、青年と老人がいかに銀行に挑むのか、
手に汗握って読みました。おもしろかったです。