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木之下晃写真集 CARLOS KLEIBER カルロスクライバー (追悼)

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: アルファベータ
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カルロスは動いて魅せる指揮者‥ ★★★★☆
カルロス・クライバーはその奔放でいながら躍動感の溢れる魅力的な指揮で、聴衆を魅了した20世紀を代表する名指揮者だ。彼の他に指揮をする姿がコレほど絵になる指揮者は「カラヤン」ぐらいなものかもしれない…。おっと、華麗な指揮姿が似合う指揮者がもう一人いたのを忘れるところだった!(笑)我が日本を代表する、世界的な指揮者に成長した「西本智実」…凛々しい指揮姿と女性指揮者ならではの時折見せる温和な表情は彼女の魅力の一つであろう。彼女は指揮者には珍しく(女性指揮者ってこともあるが‥)写真集まで出していたが、カルロスも追悼記念ということで指揮者を撮らせたら彼にかなう写真家はまずいないであろう「木之下」氏がその実力をみせてくれる。「指揮台の前の火の神」と言われるほどの個性的で激しいカルロスの指揮を「止まっている写真」だけで果たして魅力的に撮れるのか?甚だ疑問だったが、一目カルロスの指揮する姿を目にした瞬間、それは「杞憂」だったことを思い知らされた。カルロスの目にも止まらない腕の動きを、独特のブレで写真であるハズのカルロスを「静」でなく「動」に感じさせてしまう演出には恐れ入った!録音、録画を極度に嫌ったカルロスだが、この写真集をどう思うのだろうか?亡くなってしまった今は聞くこともできないが、大の親日家の彼が写真家が日本人と聞けば独特のユーモラスな笑顔で笑って許してくれるだろうか?(お忍びで来日しているところを、来演中のチェリビダッケに見つかってしまう「お茶目なカルロス」も大好きだ!)
「指揮者」の写真集というもの ★★★★★
欲しいと思っていたので、追悼出版は嬉しかった。
その一方で、
よほどの大家であっても、ひとりの指揮者の写真集がつくられることは珍しいと思うのだが、
クライバーの本拠からは遠い異国の日本で、
唯一無二の音を紡ぐことが生業の自分の写真集が出版されたことを、
天国のカルロス自身はどう思っているだろう?とふと思った。

録音・インタビューなど「記録嫌い」な人だったけれど、
希少な演奏回数から比較して、来日公演は多かったことから
理由は知る由もないが日本を好もしく思ってくれていたであろう。
小声でそっと「いいよ」と、
あの無邪気な笑顔でウインクして言ってくれているかも知れない。

内容は、来日公演の際のもの。
大半は燕尾服の指揮姿で、ピントぶれが活き活きしている。
ポリーニとのツーショットや、楽日の鏡割りのひとコマなど、
指揮姿以外の写真がまたいい。
確かクラシックジャーナルか音楽現代に掲載された写真もあったと思う。
(カーテンコールで「あなたも」と手を差し伸べているものなど)
一通り見て気付かれると思うが、
(指揮姿の写真は勿論だが、)「カメラ目線」の写真がまずない。
それはどうしても駄目だったんだろう。

ドイツグラモフォン(レーベル)が有する、
数々の(ジャケット用、宣伝用など。40代後半〜)
彼の写真が出版されないものかと思っていたが、
これでよしとする(笑)

意識的なブレがその音楽の凄みと躍動感を感じさせます ★★★★★
伝説の指揮者、カルロス・クライバーが昨年7月に亡くなりました。
クライバーの寡作ぶりは有名で、現役の頃、なかなか指揮台に立ちませんでしたね。昔、『バイエルン国立管弦楽団ベーム追悼コンサート(1982)』ライヴのベートーヴェンの第4番を聴いて、その気迫溢れる表現力にビックリした思い出が蘇って来ました。

この写真集を撮った木之下晃さんは、『朝比奈隆』氏の一連の写真集で定評がある方で、特に指揮者の躍動感を撮らせたら日本トップの方だと思います。

モノクロの写真の配列が、シンフォニーの各楽章を聴いているかのように、並んでいます。最初の構えた位置から、徐々にボルテージがあがり、クライマックスを迎えた時は、全身からオーラと炎が見えるような写真が撮られています。意識的なブレがその音楽の凄みと躍動感を感じさせます。

その写真からクライバーの魂の音楽が聞えてきます。真正面から、指揮者を捉えた写真を見ていると、オーケストラの奏者の一員となってクライバーの棒にくらいついて演奏しなければ、という強迫観念まで気持ちの中で起こりそうな感じでした。

正統派ドイツ音楽の継承者であるカルロス・クライバーの氏によって「伝説の指揮者」達の時代が終わった、と感じました。

写真のブレ ★★★★★
私は写真集をみて感動すると言う経験を初めてしました。
ブレた写真が数枚含まれていますが、それが、最高です。クライバーの音楽は、「みる」、音楽でもあるのです。
その手を掴まえたかった… ★★★★★
この本を最初のページから順に眺めてゆくと、モノクロームの時間が饒舌に流れ出し、まるで音楽を1曲通して聴いているような錯覚に陥ります。写真の並べ方が絶妙なのです。中間部には、大胆にトリミングされた迫力あるカットが並びます。そのほとんどは、ブレています。クライバーの渾身のスピードが、カメラの性能からはみ出しているのです。そのはみ出し方を、そのまま作品にしている写真家の感性が、またスゴイのです。ピントが合っているか、被写体が静止しているか、などとは別の次元の写真がそこにありました。さらにページが進むと、写真は徐々に鮮明さを取り戻し、タクトを降ろして安堵の表情を浮かべるクライバーを捉えます。

後半には、来日公演「ばらの騎士」の千秋楽と打ち上げの様子がカラーで載っています。
そして最終頁は……。
カーテンコールに立ったクライバーを舞台袖から捉えたカットでした。
クライバーが、「さあ、貴方もどうぞご一緒に!」と云った風に、こちらに大きく手を差し伸べています。
差し伸べられたその手を誰も掴むことができないまま、カルロスは逝ってしまいました。また、泣けました^^。