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ファントム〈上〉 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)

価格: ¥798
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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クーンツの最高傑作?! ★★★☆☆
クーンツ氏の小説を読んでいて、ずっと引っかかていることがあった。
それを上手く言葉に表現出来ず、自分でも悩んでいたのだが、ある時ふと、その不満の正体に気づいた。
氏の小説は技巧的には抜群に上手い。
読んでいて思わず唸らされることが、本作中でもしばしばあった。だがそれにも関わらず何かが・・・何かが引っかかる。その正体とは、要するに作者の顔が見えない、ということだった。
クーンツの小説には、顔がない。
日本文学には、私小説の伝統がことのほか強い、ということもあるかも知れないので、一概には言えないのだが、ディーン・R・クーンツなる作家が、果たしてどういう人間であるのかを、やはり作品を通して私は知りたいのだ。これがキングになると、どの作品を読んでも、本人の私生活と思われるエピソードが連綿と綴られているので、キングの作品は、モダンホラー小説という側面だけではなく、キングの私小説という側面も併せ持っている(「シャイニング」などには、その色が濃厚だろう)。本の解説を読むと、クーンツ氏も、アル中の父親の暴力に脅かされたり、売れるようになるまでに、かなりの苦労を強いられていることが分かるのだが、そうした氏の半生を物語るようなエピソード、人物は、作品中には全くといっていいほど登場しない。大体が、昔は色々苦労もあったが、今は物書きとして成功している人物だとか、いわゆるアメリカン・ドリームを体現したような薄っぺらいキャラを主人公に据えたがる。作家なら作家らしく、自身の辛い過去についても、少しは語ったらどうかと思うのだが・・・。おまけに物語の骨子は、B級のホラー映画のようなちゃちなもの。最初は期待させておいて、最後にはな〜んだ、と肩透かしを食らわせてくれる。実際クーンツ氏の作品から、あの高度な文章力を取ってしまえば、殆ど見るものは残らないというのが、残念ながら真実ではないだろうか。ゆえに、氏の作品を映像化したものに、傑作と呼び得るようなものは一つもない。本作も一度映画化されたことがあるが、その出来栄えたるや、惨憺たるものであった。
日本ではディーン・R・クーンツといえば、70年代以降のアメリカ発のモダンホラー・ブームの中で、大きな牽引車であったスティーブン・キングのフォロワー(もちろん氏には、そんなつもりはないだろうが)の一人として紹介された作家という側面が非常に強い。日本でキングの本を出版できたのは、ほんの一握りの出版社だけだし(殆どは新潮社か文藝春秋社)、他の出版社はモダンホラー・ブームの波に乗りたくても、その頭目であるキングの本が出せない以上、他の作家で間に合わせるしかなかったのだろう。そこで白羽の矢が立ったのが、クーンツ氏やロバート・マキャモン、クライブ・バーカーということになる。
別に顔があろうがなかろうが、面白きゃいいんだ、という意見もあるだろうが、やはり作家としての自己主張は欲しい。人間というのは生きていれば、みっともないことだってやるし、人に言えない汚点の一つや二つ、持つだろうと思う。そうした体験が、個々の人間観や人生観を形作るのだろうし、ストーリーだってキャラクターだって、そうした人生観を抜きに果たして造詣できるのものだろうか、と疑問に思う。氏の作品の登場人物が語る台詞は、全て嘘くさい絵空事か、偽善的な文句ばかりである。読者に好感を抱いてほしい(と作者が思う)男性キャラは、常に女性や黒人の味方であり、建て前ばかりが先行したものになる。こんな程度のキャラクター造形なら、正直安手のハリウッド映画と五十歩百歩なのではないかと思う。アメリカン・スタンダードで人物や物語を安易にでっち上げるような姿勢に、猛烈な反発を覚える。クーンツ氏の作品を読んで、いつもそのことを痛感する。
クーンツ、君は一体、誰なんだ?!
絶妙の引きのテクニックが巧い ★★★★☆
例によって、読書人を賛美し、
ケダモノな男を揶揄する視点が素晴しい!
敵の化け物は、全てにして無の、最強最悪の存在だが、
弱点を探り出し、科学の力で退治するという、
ホラーというよりSFである。
全てと無、どちらが大きい?
などというギャグ哲学が西田幾多郎にあったが、
もちろんクーンツもギャグとしても楽しめる。
ホラーとしては、化け物の姿が描写されるのは、
200P過ぎてからという絶妙の引きのテクニックが巧い。
速くて見えなくて強くて大きいという究極の敵。
マリーセレスト号事件等の、
人類史に発生した不可解な人間消失事件は、
全てこの化け物の捕食活動であったのだ。
恐竜を滅ぼしたのもこいつw
読み出したら止まれないクーンツの傑作である。
化け物を倒した後のラストのアクションが余分な気がして、
満点は付けないけどww
ブラボー! ★★★★★
素晴らしい作品です。
ビジュアルだけでは無く、人間の“心理”に攻撃をかける怖さがあります。
住民達の不可解な死、失踪、暗闇・静寂・突然鳴り響くサイレンや鐘、そして正体不明の“何か”は、その中で確実に登場人物達との距離を縮めて行く。
ページをめくる手が止まらない!
かなり怖い。 ★★★★★
映画化されているのだろうか。表紙裏?に画像があったが、小説で読む方が はるかに怖いと 想像する。
希望、絶望、希望、恐怖、痛み、絶望、希望・・・・・・と、これが 延々とつづく。
他のクーンツ作品は もっと すき がある。
これには、そういった人間らしいところが 少ない。
だから よけいに 恐怖が募る。
恋愛や 人物描写がないわけではない。
本当の主役が 存在感ありすぎなのだ。

・・・ラヴクラフトの小説を 一度、読んでみたいと思った。
原書に挑戦するならお勧め ★★★★☆
初めて読んだクーンツはライトニングの日本語訳でした。8割ぐらい読んで、あまりのとんでもな展開に本を閉じてから15年以上。読みやすい洋書を捜した末に、2回目の挑戦として本書を手に取りました。
非常に読みやすい英語で書かれており、単純なストーリーと併せて、難解な日本語を読むより、かえって理解しやすいぐらいです。
単純なストーリーと書きましたが、町の住人が忽然と姿を消してしまう出だしから、Phantomsと人間との戦いまでまさに一気に引き込まれてしまいました。
しかし、ご都合主義的な展開、無駄にしか思えない登場人物や場面といったまとまりの無さが目に付くので、そのようなものに妥協できない人は避けたほうが良いと思います。