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かってまま (文春文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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なんとも暗い ★★★☆☆
7つの短編を通して描かれる、さいの赤ん坊から初老までの数奇な人生の物語。ひとりの女性の大河ドラマ形式ではなく、全体で260ページに満たないボリュームですので、年を追うごとのさいの姿を通じて、さいがどういう人生を送っているのか読者に想像させる形式です。幸薄い女性が逞しく力強く生きるというストーリーではなく、「世の中にはどうしようもならないことがある。運不運は自分たちの手にはおえない」とさい自身が語るように、運命に逆らわず、でも流されずしっかりと生きる女性の姿が書かれています。意外性のあるストーリー、巧みな物語展開と、連作短編小説としてはよく出来ていると思うのですが、全体的になんとも暗く悲しい。時を経て、もう一度読み返すことはないだろうな、ということで、良くできた小説ながら星3つとしました。
縁ある人々を幸福にする美しいヒロイン・おさい。 ★★★★★
美貌の旗本大名の娘・奈美江が密通の末、
隠し子として生んだ娘・おさいの一生を書いた物語です。
一話ずつ独立していておさいとかかわった人の目線から語られています。
皆、なにかしらの闇を背負った市井の人々です。
美しい娘・おさいの出現と交わり、別れによって幸せを掴んでいきます。

不幸な出生と生い立ちのおさいなのですが母親譲りの美貌だけでなく
心優しい中にも一本気で謎めいた魅力に惹き込まれて読みました。
ラストの章ではおさいが50代になろうかと云う年代でしょうが
最後まで本当のおさいの姿とは…読者の想像に委ねられている様でした。

ファン必読! ★★★★★
とにかく面白かったです。連作の短編ですが、どのお話にもほろりとさせられました。ひとりの女性の生涯を軸に、彼女に関わった人たちの心の揺れや変化が、丁寧に描かれていたと思います。おさいのような女性に出逢ってみたいです。