1984年、解散の噂を一気に吹き飛ばしたアルバム。シンセ・ポップに接近したープニング・ナンバー「RADIO GA GA」、胸がすくハード・ロック「ハマー・トゥ・フォール」、メンバー4人が女装したビデオクリップが話題となった「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」ほか、強力すぎるヒット曲が次々と飛び出す。間違った方向に向かう人間社会に警鐘を鳴らす「悲しい世界」をはじめ隠れた名曲もあり、80年代クイーンを代表する壮大なスペクタクルとなっている。本作に伴い、1985年に最後のジャパン・ツアーが行われたことも思い出深い。(山崎智之)
Queenには珍しくボートラも付いていてお得
★★★★★
このアルバムから何曲もベスト盤に収録されていることで分かるように、
シングル曲の寄せ集めのようなバラエティに富んだアルバムである。
しかし、70年代の「オペラ座」「ジャズ」のような挑戦的な姿勢は感じられず、
これまでのノウハウを収穫し、上手くまとめた王道サウンドという印象。
コンピュータを使った1、5。ハードロックな2、8。ドラマティックなバラードの3。
「愛という名の欲望」路線のロカビリーな4。ポップなR&Bという趣の6。
元はサントラ用の曲と言われれば確かにそれっぽい7。アコギの弾き語りの9。
どの曲もクオリティが高く、ファンならどれかは気に入ると思う。
個人的にベストトラックは2、5、8。
以降のクイーンはこの路線でアルバムを作るようになり、
良くも悪くも流行に左右されない大御所的なポジションに落ち着いていった。
クイーン混迷期の作品
★★★★★
混迷期と書いたが、個々の楽曲は素晴らしい出来だ。
前作ホットスペースが予想以上にアメリカでの反応が悪く、彼等はヨーロッパを中心に活動していく事になる。
シンセやリズムマシンが随所で使われているものの、キャッチーさや乗りの良さでカヴァー、それが往年のクイーンファンにはお気に召さなかったようだ。
1曲目のレディオ・ガ・ガはドラムスのロジャーが作った曲で彼らしいロックっぽさにポジティブなコーラスが印象的。
2曲目のティアー・イット・アップは当時シーンを賑わせつつあったヘビィメタルを感じさせるハードなナンバー。
ベスト盤では本作からよく選出されるので、気になった方は是非御試しあれ。
やはり良い
★★★★★
クイーンの作品にも即効性のものと時間がたつとジワジワ効いてくるものがありますが昔からのクイーンファンにとってはこの作品は後者といえるのではないでしょうかね。あのホットスペース・ショックからなかなか立ち直れずにいた我々の耳に届いたのは起死回生と言われたRadio Ga Gaでしたが、やはり当時はとても物足りなく響いたのを思い出します。しかしこれらの曲がライブでは圧倒的なバンドアンサンブルのもと見違えるような輝きを放っており、気がつけばいつのまにかシアーハートアタックやオペラ座の夜とともにオールタイムフェイバリットになっていました。クイーンの音楽の普遍的な魅力を再確認できる1枚ですね。
王道のクイーンが楽しめます!
★★★★★
全体的に評論家筋のみならずクイーンファンにもいまひとつ評価の低いこのアルバム。いわく音楽的後退、いわくメンバー不仲期、いわくセルフコピー、いわくプロモビデオありき… でも作品としてはとても楽しめます。レコード発表当時は確かライナーノーツにS谷陽一氏がちょっとネガティブな事を書いていて若かりし私は「あぁ、このアルバムいまいちなのかなぁ…」という先入観と必死に戦い、それでもやっぱりたくさん聴きました。ライブではたしかオープニングSEとして使われた「MACHINES」が異色でかっこいいです。ライブで映える曲が多いのもいいですね。当時私は来日時の愛知県体育館で空席の目立つ2階席を見ながら「RADIO GA GA」に合わせて例のプロモの振り付けを必死にやりました。HOLLYWOOD盤にのみボーナストラック付きですが、あとからリミックスしたものを入れた他のアルバムと違いシングルB面曲と、80年代当時流行の12インチシングル用のロングヴァージョンを入れているのもうれしいです。
女王様的改心作!
★★★★☆
前作『Hot Space』の商業的失敗を受けて、これまでのヒット曲をセルフ・カヴァしたごとくなお約束的ナンバーが収められ、グレイテストヒットの様な印象を受ける作品。
Roger作のM-1が、大ヒットしメンバー全員がシングルでベスト3入りの曲を持った事になると言う快挙を成し遂げた。他にVCでの女装が、話題となったM-6。後期ステージで定番となるハードロックM-8、ライヴ版「Love of My Life」を昇華させた様なM-9など安心して聴ける内容だが、これまでにあった冒険心は、感じられなくなった。
この米国盤には、日本盤・英国盤には未収録のM-10が、収められお得!