インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

帝王の殻 (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥903
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
Amazon.co.jpで確認
父と子 ★★★★★
 1990年に中央公論社から出た単行本の文庫化。『あなたの魂に安らぎあれ』の続編。
 まあ、傑作といって間違いないだろう。話としても分かりやすいし、複雑な筋書きが破綻なくまとまっているので、後味もすっきり。
 火星が舞台。人間の意識の自立性、機械の知性、人間と機械の逆転などといったテーマが盛り込まれている。著者のお得意の分野であり、ややもすれば似たような話になってしまうところが、多様な登場人物が対立しあうことで、なんとも個性的な物語に仕上がっていると思う。
 重厚で読み応えのある一冊であった。
父と子とは ★★★★☆
自己とは?
父と子とは?
家族とは?
前作『あなたの魂にやすらぎあれ』から一転、人間の精神面がテーマの作品です。
前作を読んだ方なら、著者独特の世界観にも免疫があるでしょうから、十分ついていけます。

ただ、残念なのは、前作同様、作中に不必要な性的表現が突飛に現れること。
ここでこのシーンは要らんだろっちゅーの、と思わせます。
作者はなにか性的コンプレックスがあるんでしょうか?
内容は面白いのですが、マイナス星1w
詰め込みすぎ ★★★★☆
 未来の火星が舞台の話である。火星では秋沙(あいさ)という会社が作ったPABという機械が普及している。この機械は自分の分身で、人工知能が自分の無意識などを代弁してくれる。これと話し合うことで、大体の問題は解決する。
 秋沙の3代目は死んだが、彼のPABは壊れていないので、息子の4代目はその機械に命令されたとおりに動いている。そして、会社の権利を譲られたのは3代目の不肖の息子ではなく、そのまた息子の5代目である。
 この5代目の真人がもうすぐ地球年齢で5歳だが、人形のようで自発的に動くということがない。しゃべることも、感情を見せることもない。
 PAB自体の問題、急に独裁者のようにしゃべり出した真人、PABを結ぶことで所有者のプライバシーをすべてのぞけるネットワーク、かつて月にいた戦士だったらしい機械人間と、それぞれに興味深い問題が絡まり、そして、何となく消化不良のまま終わった気がする。
意欲作だとは思いますが,イマイチ ★★★☆☆
「あなたの魂に安らぎあれ」の続編となる同氏の作品ですが,やや中途半端な印象でした。時代は遡り,前作の登場人物が登場するなど面白くなくはないのですが,読み手を選ぶような印象です。

良かった点
・「パブ」という自己の複写体をメインに自己とはなにか,という一貫したストーリーは面白かった
・それなりにSFとしてありえない状況について説明ができていた

悪かった点
・自己認識を主題としたせいか,イマイチ内面描写に偏りエンターテイメントとしてはカタルシスを得られない内容だった
・背景描写がやや不足と感じた,そのため感情移入が難しかった

前作と共通ですが,やや作者が独走し読者を置き去りにした印象でした。とはいえ古い作品ですので,この時期にここまで今現在問題とされている内容を作品として纏め上げた氏の才能には脱帽なわけですが。

お父さんの子育て奮闘記? ★★★★★
いや、そんなほのぼのしたものではないのですが。

「あなたの魂に安らぎあれ」から遡ること130火星年(260地球年)。
火星第一の都市秋沙市では、対話によって成長する人工的な魂とも言えるPABが一人一台まで普及していた。だがPABを統括するシステム、アイサックが起動した時に情緒未発達児の真人が「自分はアイサックであり、新たな帝王だ」と言い出した。
真人を乗っ取ったのはアイサックなのか、前帝王のPABなのか?

地球国連アドバンスガードの梶野少佐が登場したときはぞくぞくしました。
機械人のアミシャダイが「あの言葉」を発したときは感動すら覚えました。
一読の価値はあります。是非。