フリーペーパーとは何かを考える一つの指標
★★★☆☆
まず、「美少女図鑑」とは、各地方都市の女の子をモデルに地元のヘアサロンのスタイリストが自分の「作品」を作り、発表することを内容としたフリーペーパーのタイトルです。
本書は、 序章の他に九つの章がありますが、第一章から第七章までが、この美少女図鑑を発行している企業「テクスファーム」の社長を務める著者の、会社立ち上げから現在に至るまでの自叙伝になっています。 そして、第八章は、現在ある会社がどのようにして運営しているかの説明。第九章で著者の経験則を五つの原則として紹介してあります。
基本的に、書いてある内容が著者の経験談であり、あまり理論的ではありませんが、実践的な本として評価できます。
難を言えば、構成の拙さが言えます。例えば、章の合間に頻繁に、その都度、著者が感じた教訓や反省が「つぶやき」として書かれていますが、各章の終わりにまとめるか、第八・九章と内容が重複しているので省いても良かったと思います。全体として、似たり寄ったりの主張を何度も繰り返しているのが気になりました。
あと、「女性目線」を謳っている割には、インタビューも含めて女性からの言葉が一言も無いのは少し残念な感じがします。
本として、難点はありますが、著者の信念は、フリーペーパーによって現状を打開しようとする際には一つの指標になりえると思います。